左からマイケル・アンドレッティ、マリオ・アンドレッティ、マルコ・アンドレッティ
Courtesy Of Indycar

アンドレッティ、ザウバー買収で2022年F1参戦の可能性…米GPに合わせ更なる交渉か

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マイケル・アンドレッティによるザウバー買収話は絵空事ではなく、実際に水面下で本格的な交渉が進められている状況のようで、早ければ2022年にアンドレッティの名がF1に復活する可能性がある。

著名インディカーチーム、アンドレッティ・オートスポーツのオーナーでもあるマイケルはF1への参戦に興味を持っている事を認めるものの、チームは「現時点で新たに報告できる事はない」との見解を示している。

だが、RACERが伝えたところによると交渉は現在進行中であり、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されるF1アメリカGPの週末に更なる交渉が行われる予定だという。

かつて1993年にマクラーレンからF1に参戦した事もある59歳のアメリカ人元ドライバーはハース及びウィリアムズと話し合いの場を持った後、トップ水準の風洞を持つという点でも魅力的なスイス・ヒンウィルに本拠を構えるアルファロメオ(ザウバー)に焦点を絞って交渉を進めているようだ。

2021年~2025年を対象とした新たなコンコルド協定が合意された事に伴い、F1参戦に際しては既存チームを買収するスキーム一択となった。F1は新規参戦チームに対して2億ドル、日本円にして約220億円の支払いを義務付けており、参入に際しては既存チームを買収する方が費用を低く抑えられる。

マイケル・アンドレッティは今年3月、アンドレッティ・アクイジション・コーポレーションという社名の特別買収目的会社(SPAC)を設立した。マイケルの父であり、F1とインディ500のWチャンピオンでもあるマリオが特別顧問に名を連ねるこの新会社設立の目的は、新規株式公開(IPO)によって2億5000万ドル、日本円にして約275億円の資金を調達する事にある。

SPACは買収を目的とした会社形態で、上場して株式を売り出す事で投資家から資金を集め、これを原資に企業買収を行うものだ。買収のターゲットはF1チームと見られている。

ザウバーは2016年にロングボウ・ファイナンス社に買収され、その後は同社の子会社イスレロ・インベストメンツがこれを所有している。アンドレッティは過半数の株式を取得する事によって経営権を手にするべく交渉を続けているものと考えられている。

ザウバーはステランティスN.V.傘下のアルファロメオとの間でタイトルスポンサー契約を締結しており、交渉にはイタリアブランドの意向が関わってくる可能性もあるものの、現行の商業契約は毎年査定があるため今季末を以て解消され得る仕組みとなっており、障害になる事はないと考えられる。

ただしIPOによる資金調達のみでは先方の希望額に達しない事が予想される事もあり、アンドレッティ・オートスポーツ所属のインディカードライバー、コルトン・ハータの支援者であるゲインブリッジが一枚噛んでいるとの噂もある。年金及び生命保険オンライン代理店業を営むゲインブリッジはインディ500の舞台、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)のスポンサーとしても知られる。

アルファロメオは今季限りで引退するキミ・ライコネンの後任としてバルテリ・ボッタスを起用する事を明らかにする一方、もう一つのシートに関しては何も発表しておらず、来季候補としては現職のアントニオ・ジョビナッツィやアルピーヌ・アカデミーの周冠宇、オスカー・ピアストリなど多くの名が取り沙汰されている。

イスタンブール・パーク・サーキットでSky Sportのインタビューに応えるアルファロメオのフレデリック・バスール代表、2021年10月8日F1トルコGPにてCourtesy Of Alfa Romeo Racing

イスタンブール・パーク・サーキットでSky Sportのインタビューに応えるアルファロメオのフレデリック・バスール代表、2021年10月8日F1トルコGPにて

RACERはアルファロメオが2022年のセカンドドライバーの指名を遅らせているのはアンドレッティとの交渉が原因である可能性があるとして、年内中に買収契約が締結される可能性もあると伝えているが、ザウバー・モータースポーツAGのチーム代表兼雇われCEOを務めるフレデリック・バスールの口は硬い。

バスールはイスタンブール・パーク・サーキットで行われたF1トルコGPの金曜会見の中で買収の件について問われると「正直なところ、それは私の関知するところにないため何も言えない」と答えた。

「私はCEOでありチーム代表でもあるが、こうした質問は私に対してではなく株主とすべきものだ」

F1は米国を本拠とするリバティ・メディアによって運営されており、COTAでのアメリカGPに加えてマイアミでの新規グランプリ開催が決定する中、アメリカンチームの新規参戦は大いに歓迎すべき事態と言える。

アンドレッティ・オートスポーツは現在インディカーの他に、インディライツ、IMSA、フォーミュラE、エクストリームE、豪州スーパーカーズ選手権など数多くのシリーズに参戦している。

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