日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞を受賞した佐藤琢磨

佐藤琢磨、レーサー初のCOTY特別賞を受賞「本当に嬉しい、来年は飛躍の年」移籍でシリーズ王者を目指す

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レーシングドライバーの佐藤琢磨が2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤーの実行委員会特別賞を受賞した。レーサーが同賞を受賞するのは史上初となる。インディ500優勝の功績が認められた形となった。2002年から08年までホンダ系チームからF1を戦った佐藤琢磨は、2010年に米国インディカー・シリーズに転向。第94回大会から挑戦を続け、8回目のチャレンジでの栄冠を勝ち取った。

佐藤琢磨は、アンドレッティ・オートスポーツから2017年第101回インディアナポリス500に参戦、ダラーラDW12 Hondaのステアリングを握り100年の歴史上初めてとなるアジア人制覇の偉業を達成した。インディ500は、F1モナコGPとルマン24時間レースと共に”世界三大レース”の一つに数えられる。今年8月には「過去最高位にあたる快挙」として内閣総理大臣顕彰を授与されている。

実行委員会特別賞は、その年に特別なインパクトを与えた福祉車両やモビリティーの発展に貢献した施策・イベント、あるいは業界に貢献した功労者などに与えられる賞。表彰対象は日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会により決定される。委員会は、琢磨への受賞理由について「偉業を高く評価。日本の自動車史に大きく記録しておくべきと判断」と発表した。

「このたびは、実行委員会特別賞を頂き、誠にありがとうございます」ボルグワーナー杯を携え佐藤琢磨は喜びを語った。「この賞をレーシングドライバーが受賞するのは初めてだと聞きました。インディ500で優勝したことにより、このような賞を受賞でき、本当にうれしく思っています。今まで支えて下さった多くの方々に感謝致します。来年は飛躍の年として更なる結果を求めて頑張り続けたいと思っています。これからも応援宜しくお願い致します」

佐藤琢磨は、来季よりレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへ移籍する。インディ500チャンピオンチームとの契約更新が可能であったにも関わらず移籍を決断した理由について琢磨は「来年のシリーズ・チャンピオンを狙える唯一の選択肢」だと明かし、史上初のアジア人チャンピオン獲得に意欲を示している。

2018年シーズンのインディカーは、空力パーツが全チーム共通となる”ユニバーサル・エアロ・パッケージ”が導入されるため、メカニカルグリップの良し悪しがコンスタントな競争力に影響を与える。琢磨はレイホールこそがホンダ系チーム内最強のメカニカルグリップを有していると考えており、後ろ髪引かれる思いで良き仲間に恵まれたアンドレッティを去る事を決めたという。