赤旗5回の大混乱…角田裕毅がキャリア最高3番手!Q2敗退フェルスタッペンは運営に激怒 / F1サンパウロGP 2024《予選》結果と詳報
5度の赤旗が振られる混乱と波乱を経て、ランド・ノリス(マクラーレン)がFIA-F1世界選手権第21戦サンパウロGPのポールポジションを獲得した。角田裕毅(RBフォーミュラ1)はキャリア最高位となる3番手を記録した。
予選は当初、11月2日(土)の午後に予定されていたが、豪雨による再三のディレイを経て日曜日への延期が決まり、全20台で争われる18分間のQ1は、当初の予定より16時間半遅れでスタートした。予選がレースと同日に開催されるのはF1史上6回目のことだった。
Q1は完全なフルウェット・コンディションだったが、セッションを経る毎に路面は改善していき、ポール争いはインターミディエイトでの争いとなった。
計5台がクラッシュを喫し、5回に渡って赤旗が振られる中、ノックアウト寸前に追い込まれる場面がありながらも、角田裕毅は、雨のインテルラゴス・サーキットで安定的に好タイムを刻み、ジョージ・ラッセル(メルセデス)に次ぐ3番手を獲得した。
最終Q3では、ターン4でクルマのコントロールを失いハーフスピンを喫したが、幸いにもグラベルに乗ったことで減速。バリアとの衝突を逃れ、最終ラップでエステバン・オコン(アルピーヌ)を退けると、2列目3番グリッドを確保した。
RBはリアム・ローソンも5番手と上位を持ち帰ったが、シニアチームのレッドブルは赤旗の不運もあり、衝撃のダブルQ2敗退を喫した。
12番手に終わったマックス・フェルスタッペンは、ランス・ストロール(アストンマーチン)のクラッシュに関して、黄旗から赤旗に切り替わるのに40秒もの遅れがあったとして、レースディレクターの判断に激怒した。
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「すぐに赤旗が振られていたら、マックスは10番手だったはずだし、もう1ラップ走る時間もあったはずだ」と指摘し、「本当に苛立たしい」と付け加えた。
タイトル争いのライバル、ノリスがポールからレースをスタートする一方、フェルスタッペンは6基目のICE(内燃エンジン)投入により、降格ペナルティを受けて17番グリッドに着く見通しだ。
ラッセルが最前列を持ち帰った一方、メルセデスのチームメイト、ルイス・ハミルトンは16番手でQ1敗退を喫した。
アストンマーチン勢は、Q2でクラッシュを喫したランス・ストロールに続き、フェルナンド・アロンソがQ3最初のラップのターン11でバリアに衝突。2台共がクルマにダメージを負った。時計の針は6分59秒で止められた。
🔴 RED FLAG 🔴
Now Alonso's in the barriers 😵#F1 #BrazilGP pic.twitter.com/iubduzq5ZU
— Formula 1 (@F1) November 3, 2024
セッションが再開されると、今度は暫定2番手につけていたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)がターン1で大クラッシュ。リアと車体左側が大きく損傷した。最終的には7番グリッドを獲得したものの、クルマにダメージを負った他のドライバー同様、レースまでに修復できるかどうかは不透明だ。
That was a big impact 😵
Alex is out of the car and seems okay 🙏#F1 #BrazilGP pic.twitter.com/Xe0Nt7ORu0
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予選Q1:ハミルトン敗退
再舗装された路面のウェットを走るのはこれが初ということで、各車、慎重にコースへと入っていったが、ローソン、ストロール、周冠宇(ザウバー)が相次ぎコース外に飛び出し黄旗が振られた。
ノリスがラップ序盤のアクアプレーニングを報告する中、角田裕毅がルクレールにコンマ6秒以上の差をつけてタイムシートのトップに立った直後、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)がターン3でクルマのコントロールを失い、バリアに衝突。残り8分50秒で最初の赤旗が振られた。
🔴 RED FLAG 🔴
Colapinto slides into the barriers at Turn 3 💥
Franco's radioed to say he's okay 👍#F1 #BrazilGP pic.twitter.com/6CBNemudTi
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バルテリ・ボッタス(ザウバー)は果敢にもインターミディエイトに履き替えたが、コース外に飛び出し、赤旗中にインターに戻した。
セッションが再開されると、タイムを改善できずに多くが苦しんだが、最終ラップでは次々とタイムシートのトップが入れ替わった。
ノリスは最終ラップを前にノックアウト・ゾーンに沈んでいたが、ハミルトンを蹴落とし、15番手ギリギリでQ2に駒を進めた。
ローソンはラップ毎にタイムを縮めていき、角田裕毅から0.586秒遅れの14番手を記録した。
12番手に沈んでいたフェルスタッペンは、最終ラップでアルボンをコンマ1秒差で上回り、トップ通過を果たした。
14年前のブラジルでキャリア唯一のポールポジションを獲得したニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は19番手に終わった。体調不良のケビン・マグヌッセンの代役、オリバー・ベアマンは17番手とチームメイトを上回った。
予選Q2:レッドブルW敗退、角田は間一髪
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、ピアストリがいち早く、インターミディエイトでコースインした。
角田裕毅は最初のラップがターン4のトラックリミットで抹消となり、続くラップでは自己ベストを刻んでいたものの、ノリスがピットインしてインターに履き替えると、最終セクターでアクセルを緩め、ピットに入ってマクラーレン勢に続いた。
コースに復帰して計測を開始した直後、不運にもカルロス・サインツ(フェラーリ)がターン2でクラッシュ。アクセルを踏んだ瞬間にリアが滑り、スピンを喫してバリアに衝突したことで赤旗が振られた。サインツに怪我はなく、チームに謝罪した。
🔴 RED FLAG 🔴
Sainz into the barriers
📻 "Oh my gosh, sorry guys" #F1 #BrazilGP pic.twitter.com/saUn8zJLIj
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暫定14番手からリスタートに臨んだ角田裕毅は、4番手を刻んでノックアウト・ゾーンから脱出するも、タイムシートは次々と塗り替えられていき、10番手にまで後退。最終ラップに向かうと、今度はストロールがターン3でクラッシュしてセクター1に黄旗が振られた。
タイム更新が絶望視されたが、黄旗がその後、赤旗に切り替えられてセッション打ち切りとなったことで、間一髪でQ3に駒を進めた。
レッドブル勢は計測ラップのチャンスを奪われ、フェルスタッペンが12番手、ペレスが13番手でWノックアウトを喫した。
マックスの父、ヨス・フェルスタッペンはテーブルを叩いてフラストレーションを爆発させ、ペレスはコースインのタイミングについてチームに苛立ちをぶつけた。
決勝レースは日本時間11月3日(日)24時30分にフォーメーションラップが開始され、1周4309mのインテルラゴス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2024年F1第21戦サンパウロGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:30.944 | 1:24.844 | 1:23.405 | 33 |
2 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:29.121 | 1:26.307 | 1:23.578 | 29 |
3 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 1:29.172 | 1:26.464 | 1:24.111 | 30 |
4 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:29.171 | 1:26.206 | 1:24.475 | 31 |
5 | 30 | ローソン | RB ホンダRBPT | 1:30.758 | 1:25.654 | 1:24.484 | 30 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:29.839 | 1:26.097 | 1:24.525 | 29 |
7 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:29.072 | 1:25.889 | 1:24.657 | 28 |
8 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:30.114 | 1:25.179 | 1:24.686 | 28 |
9 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:30.207 | 1:25.035 | 1:28.998 | 21 |
10 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:30.580 | 1:26.334 | 19 | |
11 | 77 | ボッタス | ザウバー | 1:30.633 | 1:26.472 | 21 | |
12 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:28.522 | 1:27.771 | 19 | |
13 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:30.035 | 1:28.158 | 18 | |
14 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:30.303 | 1:29.406 | 17 | |
15 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:29.420 | 1:29.614 | 21 | |
16 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:31.150 | 11 | ||
17 | 50 | ベアマン | ハース | 1:31.229 | 11 | ||
18 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 1:31.270 | 5 | ||
19 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:31.623 | 12 | ||
20 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 1:32.263 | 12 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 20℃ |
路面温度 | 22℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1サンパウロGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | インテルラゴス・サーキット |
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設立 | 1936年 |
全長 | 4309m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 反時計回り |