
ハミルトン「ここしばらく、悪夢の中にいるよう」二度の接触と再びの減刑、そして痛恨DNF―打ちのめされたサンパウロGP
「これは悪夢だ。ここしばらく、ずっとこの悪夢の中にいるような気分だ」
2025年F1第21戦サンパウロGP決勝をリタイアで終えたルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、こう胸中を明かした。フランコ・コラピント(アルピーヌ)と接触した後、38周目にクルマをガレージに入れた。
数々の栄光をともに築いたメルセデスを離れ、子どもの頃からの憧れだったフェラーリへ移籍したハミルトン。しかし、その夢の船出は今季ここまで、厳しい現実に晒され続けている。
「この素晴らしいチームで走るという夢と、実際の結果が伴わない現実とのギャップ――その浮き沈みは本当に厳しい」
2度の接触、リタイヤを強いた空力損失
コラピントとの接触は2周目に発生した。ハミルトンはターン15でオーバーテイクを試みたが、右フロントタイヤがコラピントの左リアに接触。その衝撃でフロントウイングの一部が折れ、破片がフロア下に入り込む形でさらなるダメージを引き起こした。
「接触の後、リアサスペンションが壊れたように感じた。チームは大丈夫そうだって言ってたんだけど」とハミルトンは振り返る。
「クロスウェイト(左右の重量バランス)の問題かもしれない。ダウンフォースは30〜40ポイントほど失っていたと思う。高速コーナーでマシンがスナップして、前の連中についていくのは不可能だった」
ハミルトンは1周目にカルロス・サインツ(ウィリアムズ)とも接触しており、どちらの接触が決定打となったかは明らかになっていないが、37周目にレース続行不能との判断が下された。
「全責任」週末2度目の減刑措置
コラピントとの接触について、元F1ドライバーのペドロ・ラミーを含む5名のスチュワードは、ハミルトンに「全責任」があると判断した。
ただし、通常であれば10秒ペナルティが科されるところ、軽減事由があるとして5秒ペナルティに減刑。併せて1点のペナルティポイントを科した。ハミルトンの直近12ヶ月間の累積ペナルティポイントは3点となった。
スチュワードは軽減の根拠をこう説明した。
「この接触は速度差の小さい状況で発生し、相手側のマシンに即座かつ明白な競技上の影響を与えることはなかった。したがって、比較的軽度の接触と見なすことができる」
なお、ハミルトンは初日のスプリント予選中、ダブル・イエローフラッグを遵守しなかったとして調査を受けたが、この件でもスチュワードは処分を軽減し、「戒告」にとどめている。
Wリタイヤで無得点「打ちのめされた」ハミルトン
チームメイトのシャルル・ルクレールも6周目の接触事故に巻き込まれ、チェッカーを受けることなくレースを終えた。この結果、フェラーリは痛恨のノーポイントに終わり、コンストラクターズ選手権でレッドブルに3位の座を明け渡した。
「忘れ去るべき週末になったのは間違いない」とハミルトンは認める。
「残念だよ。だってブラジルは僕が大好きな国だし、チームの皆もそうだ。誰もが毎週全力を尽くして戦っているのに、何も得られずに終わってしまう。レースを完走できないのも、これで今季2回目だ。本当に打ちのめされる気分だ」
それでも、ハミルトンは前を向こうとしている。
「予選での自分のミス(Q2敗退・13番手)については申し訳なく思っている。あの状況は自分自身で作ってしまった。でも、また立ち上がって、もう一度挑戦する」
2025年F1第21戦サンパウロGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを達成。2位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3位にピットレーンスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が食い込む結果となった。
ラスベガス市街地コースを舞台とする次戦ラスベガスGPは、11月21日(金)のフリー走行1で幕を開ける。