サインツ、最前列剥奪を経て「罰則を科すよう迫ったライバルチーム」を非難…フェルスタッペンはルール改定を要求
予選2番手ながらも10グリッド降格ペナルティによってF1ラスベガスGPの最前列を失ったカルロス・サインツ(フェラーリ)は、ライバルチームからの圧力がスチュワードの決定に影響を与えたとの考えを示した。
サインツはFP1での事故により今季3基目のES(バッテリー)交換を強いられペナルティを受けた。これはマンホールの蓋との衝突、つまりコースの整備不良が原因であったため物議を醸した。
フェラーリは規定適用除外を訴えたが、スチュワードは権限がないとしてこれを拒否した。だがサインツは、ライバルチームからの圧力がなければ特例として処理する事も可能だったと考えている。
「コースに安全上の問題があった事は明らかで、そのせいで僕のクルマは壊れてしまった」とサインツは語る。
「メカニックはゼロからクルマを組み上げるのに5時間を費やさなきゃならなかった。おまけに僕らのせいじゃないのに10グリッドの降格ペナルティが科せられた」
「単純にガッカリしたけど驚いちゃいない。だって今年は、このスポーツがもっと上手くやれるはずだって事を証明するようなケースがたくさんあったからね」
「不可抗力だというのに、チームやドライバーのコントロールが完全に及ばない事態だというのに、統括団体にそういう権限がないことには驚いたけど」
「ルールなのか統括団体なのか、他のチームなのか分からないけど、こういう状況なんだから僕はこのスポーツにもっと期待していたんだ」
「確かにライバルチームが僕にペナルティを科すよう圧力をかけてくるのは、ある意味驚きだ。でも、このビジネスではコンストラクターの最終順位に絡む金額があまりに大きいから、このスポーツに長くいると、とあるチームが僕にペナルティを科すよう脅さないわけがないって事が分かってしまう」
「とんでもなくガッカリしてる。正直に言って、この状況、このスポーツ全体に対して本当に腹が立ってる。腹が立つ、っていうのが正しい表現だ。気分が悪い。こんな状況だからこそ、このスポーツにはもっと期待していたのに」
サインツは「ライバルチーム」の名前を具体的にしなかったが、フェラーリとコンストラクターズ選手権を争っているのは1チームのみ。20点差でリードするメルセデスしかいない。
トロ・ロッソ時代のチームメイト、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)もまた、サインツにペナルティを与えるよう「ライバルチーム」が舞台裏で政治的な圧力をかけたと考えており、チームに「発言権を与えるべきではない」と主張し、「そのためにはルールを変える必要がある」と訴えた。
「他のドライバーにぶつけられて大きな事故に遭い、エンジンのパーツやESや何かを失うこともある。だからまずは、そういうのも考慮に入れて、ペナルティが決まるように変えなきゃならない」
「その上で、この手の事にチームが口出しするのを禁止する必要があると思う。だって確実に反対票を入れるだろうからね」
「個人的には(今回のペナルティは)カルロスにとってかなり厳しいことだと思っているけど、僕らがいるこの政治的な環境では当然、各チームは自分たちのことしか考えていない。だから、彼にペナルティを科すべきだって言うに決まってるんだ」
2023年F1ラスベガスGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手に僚友カルロス・サインツが、3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。
決勝レースは現地11月18日(土)22時にフォーメーションラップが開始され、1周6,201mのラスベガス市街地コースを50周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。