難局アルピーヌF1、20年来の古参オペレーション・ディレクターのロブ・ホワイトが退団
パフォーマンス不振に直面しているアルピーヌF1チームは2024年5月31日(金)、再編の一環として、長年に渡ってオペレーション・ディレクターを務めてきたロブ・ホワイトがチームを去ったと明らかにした。
58歳のイギリス人エンジニアはコスワースを経て2004年にルノーに移籍。ヴィリー=シャティヨンでエンジン・テクニカル・ディレクターを務めた後、2016年より同職を務めてきた。
英BBCによると、ホワイトはチーム代表のブルーノ・ファミンによって解雇され、今週水曜にその決定がファクトリーに伝えられた。
ホワイトの退任についてアルピーヌの広報担当者は、「チームの幅広い業務再編の一環」であると説明した。
「エンストンとヴィリー=シャティヨンでの長いキャリアを通じて貢献してくれたロブ・ホワイトに感謝する。彼は2005年と2006年にチャンピオンシップを勝ち取るに至ったエンジンプロジェクトを率いた人物だ。彼の今後の活躍を祈っている」
アルピーヌは今季開幕8戦で僅か2ポイントに留まっており、コンストラクター選手権9位と低迷している。2022年は4位、2023年は6位だった。
先日のモナコGPでは、事前にチームメイトの追い抜きを禁止する指示が出ていたにも関わらず、エステバン・オコンがオープニングラップで僚友ピエール・ガスリーに仕掛けて衝突。今シーズン末でチームを離れる見通しとなっている。
ファミンはパフォーマンスの改善を目的とした継続的な組織再編に取り組んでおり、5月上旬には空力のスペシャリストとしてフェラーリで活躍してきたデビッド・サンチェスをエグゼクティブ・テクニカル・ディレクターとして採用したが、その一方で上級スタッフの流出と退任が止まらず、多くがライバルチームに移籍している。
昨年7月末にチーム代表のオトマー・サフナウアーが退任すると、スポーティング・ディレクターのアラン・パーメインはRBに移籍。最高技術責任者のパット・フライもウィリアムズに移った。レーシングディレクターのダビデ・ブリビオも去り、ローラン・ロッシはCEOを解任された。
今年3月にはテクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力責任者のダーク・デ・ビアの両名が辞表を提出。事実上、予選・決勝ともに最下位に終わった開幕バーレーンGP後にチームは技術部門の3頭体制化を発表した。
ルノーの元テクニカルディレクターで、最近まで顧問を務めていたチームのベテラン、ボブ・ベルも3月にチームを離れ、テクニカル・エグゼクティブディレクターとしてアストンマーチンに移籍した。