ライバルのポーパシング不満は規定変更のためのロビー活動、とレッドブル…メルセデスは自ら対処すべき、とノリス
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ポーパシングに対する不満の声が相次いでいる事について、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、故意に大騒ぎすることでライバルチームが自分達に有利なようにレギュレーション変更の風潮を高めているに過ぎないと考えているようだ。
特定のチーム名に言及したわけではないが、ホーナーの脳裏に少なくともメルセデスとフェラーリがあるのは間違いないだろう。バウンシングやポーパシングによる身体への悪影響について特に声高なのはジョージ・ラッセルとカルロス・サインツだ。
ロングストレートとバンプが組み合わさった事で、バクー市街地コースでの週末にポーパシングに関する言及が増えたのは確かだ。
初日にはミック・シューマッハ(ハース)がポーパシングの影響で大量のウォーターリークに見舞われた。
またポーパシングが原因かどうかは明らかではないものの、決勝ではフェラーリ勢が揃ってメカニカルトラブルによってリタイヤを余儀なくされ、角田裕毅(アルファタウリ)はリアウィングのフラップが破損した事で入賞を奪われた。
歯を食いしばり耐えた、とハミルトン
特にラッセルは、現状を放置すれば健康被害に至るのは時間の問題だとして、現行規定の変更についてFIAに働きかけている。また第8戦アゼルバイジャンGPでのレース後には、ラッセルのチームメイト、ルイス・ハミルトンが背中と腰を抑えながらクルマを降りる姿があり、自らInstagramにその写真を挙げた。
37歳のイギリス人F1ワールドチャンピオンは51周のレースを終えて「アドレナリンで何とかレースを乗り切った。痛みをこらえて歯を食いしばるしかなかった。特にここのストレートで味わう痛みは表現し切れないほどだった」と振り返った。
更に、ダニエル・リカルド(マクラーレン)もレース後、クルマに腰掛けながら腰を気遣う様子を見せ、今回初めて激しいポーパシングを経験したと明かし、「シーズンを通してずっとこれに直面してきた人たちが本当に気の毒だ」と語った。
不満はチーム首脳陣の煽りだ、とホーナー
だがホーナーは、ドライバー達による不満の声はチーム首脳陣がそうするように煽っているためだとの考えを示した。
RacingNews365によるとホーナーは、もし自分達が同じ様に激しいポーパシングを抱えていたらどうするかと問われると「無線でできる限り文句を言って、できる限り大きな問題にするように言うだろうね。それもゲームの一部だ」と答えた。
また、不満を助長しているのはチーム側かと問われると「無論そうだ」と返した。
ホーナーは、車高を上げるなど、ポーパシングを解決するための方法があるにも関わらずライバルチームがそれをせずにドライバーに不快な状況を強いているのは「クルマのパフォーマンスを損なう」ためだとして「最も楽なのは安全性の観点から文句を言う事だ」と主張した。
ただ、必ずしもレギュレーション変更に否定的なわけではない。
ホーナーは「グリッド全体が安全性に対して本当に懸念しているのだとすれば、それは考慮すべき問題だと思う。だが影響を受けているのが一部のチームだけなのであれば、それはそのチームが対処すべき問題だと言える」と付け加えた。
メルセデスは自ら対処すべき、とノリス
取るべき手段があるのにメルセデスがそれを避けていると考えるのはランド・ノリス(マクラーレン)も同様だ。
バクーでのレースを終え、マクラーレンの乗り心地はどうか?と問われたノリスは「美しいよ。すごく気に入っているんだ。不満はないね。ポーパシングやバウンシングがあるのは確かだけど、それは自分達で対処しなきゃならない問題だ」と答えた。
「僕らだってもっと(ライドハイトを)低くしてパフォーマンスを上げることもできる。でもそうするとポーパシングが悪化する。だから今くらいがちょうど良い按配なんだと思ってる」
「メルセデスだって、違うフロアにすることもできるし、高さを上げることだって出来るわけさ。そうすれば遥かにマシになるのにね。そうしないのは明らかにパフォーマンスの方を重視してるからさ」
「個人的には文句を垂れることじゃないと思う。自分達自身で対処法を見つけるべきだ」