角田裕毅の「仕上がり具合」がリカルドの2025年RB残留とローソンの昇格を左右か
RBのピーター・バイエルCEOによると、ダニエル・リカルドの2025年RB残留とリアム・ローソンの来季F1昇格を左右する要因の一つは、角田裕毅の「仕上がり具合」にあるようだ。
伊ファエンツァのチームの「究極的な使命」は依然として、若手育成のインキュベーターとして機能すること、すなわちレッドブル昇格に足るドライバーを育て上げることにある。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは今夏、「レーシング・ブルズはジュニアチームであり、今後もこの路線を続けていく。これは株主からの明確な意思表示だ」と語った。
それにもかかわらず35歳のオーストラリア人ドライバーがRBのシートを持っているのは、シニアチーム昇格に足るか否かをレッドブルが判断するためだが、シーズン前半戦の活躍はその「基準」を満たしていなかった。
ペレスが2024年末限りで契約を解除されレッドブルに空きシートが生まれる可能性は残っているものの、リカルドは今も来季の契約がなく、リザーブ・ドライバーのローソンにシートを奪われる可能性が指摘されている。
バイエルによれば、角田裕毅がベテランから更に学ぶ必要があると判断された場合、リカルドの来季続投という選択肢が考慮され、その必要がない場合にはローソンの昇格が検討される可能性があるという。
英AUTOSPORTによるとバイエルは、「人々は『君たちはジュニアを育成するためにここにいるんだろう』と言うが、それはその通りだ。だが我々にとってのジュニアの定義は、最終的にレッドブル・レーシングのクルマに乗る準備が整ったドライバーを意味する」と語った。
「ドイツ語には『一羽のツバメでは夏にならない(注:一つの事例や出来事だけで全体を判断することはできないという意味)』という表現がある。これは、今のレベルで一貫してレースを続けるならば、ユーキがレッドブル・レーシングのシート候補として考慮されるだろうということだ。究極的にはそれが我々の株主から与えられた使命だ」
「そして、もし彼がもう1シーズン、本当に手強いダニエルの隣でレースを続ける必要があるならば、それは選択肢の一つになり得る。または、彼の準備が万全だと考えるならば、リアムと話し合うこともできる」
9月までにF1のシートを用意できない場合、契約解除条項が有効となり、レッドブルはローソンを失う可能性があるが、バイエルは「誰もがそう考えているにもかかわらず、我々は急いでいない。なぜなら、全ての選択肢が我々の手中にあるからだ」と余裕の構えだ。
現時点で2025年のF1シートが未定のチームはRBを除いて3チームのみだが、メルセデスはアンドレア・キミ・アントネッリを起用する可能性が高く、ザウバーはバルテリ・ボッタス続投に傾いていると考えられており、アルピーヌはジャック・ドゥーハンが最有力とされ、移籍しようにもローソンの選択肢はかなり乏しい状況だ。