ダニエル・リカルドは2023年のF1シートを得られるチャンスがあったもののそれを活かさず、古巣レッドブルのサードドライバーとして1年間の浪人生活を過ごす道を選んだ。

マクラーレンと3年契約を結んでいた33歳のオーストラリア人は契約満了を待たず、同胞の後輩オスカー・ピアストリにシートを奪われる形で事実上、マクラーレンから解雇された。

突如フリーエージェントとなった8度のグランプリウィナーにアプローチしたのはハースのギュンター・シュタイナー代表だった。

ポッドキャスト「Beyond The Grid」の中でリカルドは「ギュンターが言っていたように、彼と連絡を取ったりしていた」と認めた。

だが契約に至る事はなかった。それは条件面での折り合いがつかなかったからというわけではく、一種の燃え尽き症候群に陥ったためにリカルドが断りを入れたためだったようだ。

「日が経つにつれて、特にシーズン後半最初のトリプルヘッダー（ベルギー、オランダ、イタリア）を迎えた時に、結局のところ、来年はレースをしたくないという事を僕自身が認めているってことがハッキリしてきたんだ。電話の内容がどうこうって事じゃなくてね」とリカルドは続ける。

「ある意味、トップチームが接触してこなくて良かったと思ってるんだ。だってそうなれば『ああ、サインしなきゃ』って感じるだろうからね」

「心の底では少し（F1と）距離を置きたかったんだと思う」

「ある種の燃え尽き症候群だと言う人もいるかもね。でも僕はそれを認めたり口にする事を恐れたりはしない。そういう意見もあるだろう」

「僕だけがそうだとは言いたくないけど、僕は『修練を積む事で完璧になる』という普通のスポーツマンじゃない。そう言いたい」

「時にはやればやるほど、なんだか道を見失ってしまうことがあるんだ。僕にとっては休むことで得られるパワーがあると思うし、少し休みを取ることで、もっと良くなって戻ってこれると思うんだ」