報道陣の質問に答えるダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年5月2日F1マイアミGP
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ダニエル・リカルド「ノーだね」悔い改めぬストロールとの対話求めず、F1中国GPでの衝突事故を巡り

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F1中国GPでリタイヤを余儀なくされた衝突事故についてダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)は、未だランス・ストロール(アストンマーチン)から謝罪がない事を明かし、一件について話し合う事は無意味との考えを示した。

上海インターナショナル・サーキットのレースでリカルドは、セーフティーカー(SC)ラップ中に後方のストロールに衝突されクルマを損傷。ストロールが自身のせいだと非難した事に対して「あのクソ野郎」と目を丸くして激怒した。

物議のインシデントから2週間後のF1マイアミGPの開幕を翌日に控えてリカルドは、話し合いに応じる用意があるとしつつも、ストロールが自身の非を認めて悔い改めない限り話し合う事は無意味で、和解には至らないとの考えを示した。

蘭「RacingNews365」によるとリカルドは、ストロールとの話し合いを希望するかと問われ「ノーだね。進展が望めないからね」と語った。

「彼がそれを受け入れて『ごめん、僕のミスだ』って言うなら、僕はそんなに嫌なヤツじゃないし謝罪は受け入れる。だけど彼が、自分は何も悪くないと思っているなら、言うことはあまりないね」

「もし明日ドライバーズブリーフィングで隣に座ることになって、彼が話をしたいなら無視したりはしないけどさ」

マイアミ・インターナショナル・オートドロームのパドックを歩くダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年5月2日F1マイアミGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

マイアミ・インターナショナル・オートドロームのパドックを歩くダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年5月2日F1マイアミGP

若い頃とは異なり経験を積んだ今では、例え自身に完全な責任があると感じていなくとも、ライバルとの間に不要な溝を作らぬよう自分から謝るように心がけているとリカルドは言う。

リカルドは「若い頃はもっと頑固で、たとえ自分のせいでも謝らなかった事もあった」と認めた上で、2022年のメキシコGPで現在のチームメイトである角田裕毅と接触した件や、同じ年のブラジルでケビン・マグヌッセン(ハース)と衝突した件に触れ、次のように説明した。

「ここ数年は、ミスを犯したり、誰かをリタイヤさせてしまったら、たとえそれがフィフティ・フィフティの事故であっても、レースを台無しにしてごめん、って言うようにしてるんだ」

「あの一件(角田あるいはマグヌッセンとの接触)については自分に責任があるとは思わなかったけど、誤解を取り除くために、僕の方からメッセージを送ろう、って感じだった」

「僕らはみんなライバルだけど、背中に標的を背負う必要も、敵を作る必要もないし、そうなりたくはないんだ」

「彼(ストロール)が敵だと言ってるわけじゃない。ただのインシデントだし、前に進み続けるしかないけど、流されるままに受け入れたくはない」

「彼に向かって言ってるわけじゃなく、これが僕のやり方なんだ。もし今後、他の誰かとコース上で何かあれば、同じようにやってみて(仮に自分に非がないと感じても謝る)、その上でどうなるかを見守るけど、これ(ストロールとの一件)に関しては何もする必要はない」

「僕が彼と同じ立場で、前を見ていなかったなら、『ごめん。他の場所を見てて。急ブレーキをかけた君に不意を突かれたんだ』って言うだろうけどね」

「でももう良いんだ。僕にとっては終わったことだから」

リカルドとの一件について問われたストロールは「もう過去の事だし、今週末に集中してるから、それについてはあまり突っ込んで話をしたくない」と質問を退け、リカルドと話をしたか?と尋ねられると「ここで話す事じゃない。こういうのは密室でするものだ」と返した。

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