F1オーナー、日本GPを前にMotoGP買収を発表との報道
F1の商業権を持つ米国のメディア関連企業、リバティ・メディアがF1第4戦日本GPを前に、ロードレース世界選手権(MotoGP)を所有するドルナ・スポーツの買収を発表する見通しだと英「Sky News」が報じた。買収金額は40億ユーロ(約6,540億円)以上に及ぶという。
モータースポーツ界に衝撃を与えるこの買収は昨年末から噂されていた。報道によるとリバティ・メディア社のグレッグ・マッフェイ最高経営責任者(CEO)はドルナの本社があるマドリードを訪れ、早ければ4月1日(月)にも買収を発表する可能性があるという。
2輪・4輪の最高峰カテゴリーの両方を傘下に収める事でリバティ・メディアは、モータースポーツ業界における影響力を拡大すると共に、より広いオーディエンスへのリーチを通して視聴者数を増やしたり、クロスプロモーションによってファンのエンゲージメントを高めたりといった、財務及び商業的な相乗効果を生み出すチャンスを得る事になる。
しかしながら、本取引を巡っては欧州連合(EU)の規制当局が調査に乗り出す可能性もある。
英民間投資会社のブリッジポイント・グループが約5億ユーロ(約817億円)でドルナを買収したのは2006年の事だが、これは当時、ドルナを所有していたCVCキャピタル・パートナーズがF1の買収に際して規制当局から目をつけられた事が背景にあった。
CVCはドルナの売却を条件に規制当局の承認を得て、F1の買収にこぎ着けた。F1はその後、2016年に80億ドル(約1兆2,100億円)でリバティ・メディアに売却された。
ブリッジポイントは2012年にカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)にドルナ株の39%を売却しているが、現在も40%近くを所有しており、残りはドルナの経営陣が保有している。
カルメロ・エスペレータCEO下でドルナは、MotoGPの他にもスーパーバイク世界選手権や出光アジア・タレント・カップ、レッドブル・ルーキーズ・カップ、電動シリーズのMotoE世界選手権といった様々な2輪シリーズを主催している。