レッドブル「スーツ、新調したね!」F1予算罰金を巡りFIA小突く…開発制限の影響はまだ序の口か
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予算上限違反に伴う罰金を巡ってレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーが国際自動車連盟(FIA)を小突き回した。また、より深刻な影響が出る可能性があるとして2024年の技術規定変更に懸念を示した。
レッドブルは2021年の予算超過に関してFIAとの間で「違反是認(ABA)」を締結。これにより700万ドル(約9億5,000万円)の罰金と、空力開発テスト時間10%減のペナルティを受けた。
昨年のコンストラクターズ選手権を制した事で開発時間の配分は更に引き下げられた。予算違反ペナルティと合わせて、風洞・CFDの使用可能時間はランキング7位のチームの63%にまで制限された。これは現行のRB19、そして2024年のRB20の開発を直撃する。
F1バーレーンGPのFIA記者会見の中で予算上限ペナルティの影響について問われたホーナーは「こうしてFIAのソファも新しくなったし、トム(トム・クラークソン / 司会)のスーツも新しくなったし、FIAに支払った金が非常に効果的に使われているのが分かって嬉しいよ」と笑いを誘い、次のように続けた。
「でも僕らにとっては、効率というのが一つのキーワードになる。特に風洞時間を10%失うというハンディキャップを抱えたわけだからね」
「だからチームは再び、競争的な立場でこの場に現れるために途方もない仕事をしてきたんだ」
「でも、このハンディキャップは12ヶ月間に渡って続くものだから、みんな知っての通り、まだ8、9ヶ月残っている」
「それは現行マシンの開発において、非常に選択的で、かつ非常に効率的でなければならないことを意味する。もちろん来年のクルマに関してもそうだ」
RB19とRB20。どちらの開発に対する影響の方が大きいのだろうか? ホーナーは2024年のテクニカル・レギュレーションがどの程度、変更されるかに依ると指摘した。
「規定の変更次第だ。我々は安定する事を期待しているが、もちろん、チャンピオンシップで1位になったことによる分だけでなく、これに10%が加わるのだから不利だし、ハンディキャップを背負う事になる」
空力テストに関して昨年のチャンピオンシップで2位と3位になったフェラーリとメルセデスは各々、ランキング7位のチームに対する75%と80%の稼働時間が認められている。
「つまり我々は、フレッド(フレデリック・バスール / フェラーリ代表)より15%、メルセデスより20%短いんだ。これはかなりの時間だ」とホーナーは続ける。
「したがって我々にとっては、RB19と20の両方の開発において、風洞内での試験に何を、そしてどちらを費やすかという点で効率的である事が重要なんだ」