メルセデスに匹敵?レッドブル・ホンダ、夏休み前のスペック4エンジン投入可能性を否定
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、ハンガリーGP後に始まるサマーブレイクより前に、ホンダの最新型スペック4エンジンが実戦投入される事はない、との見通しを示した。第13戦ベルギーGPか、第14戦イタリアGPでの投入が濃厚だという。
独メディアが報じるところによれば、ホンダの今季型パワーユニット「RA619H」の4世代目のエンジンは、25馬力相当の出力向上が見込まれているといい、王者メルセデスのそれに匹敵すると予想する向きもある。
移籍の可能性が噂されるマックス・フェルスタッペン引き留めのために、夏休み前のハンガリーGPでアップグレード版エンジンが投入されるのではとの噂もあったが、ホーナー代表はこれを否定。Motorsport Totalとのインタビューの中で「おそらくはモンツァかスパになるだろう。ホンダ次第だ。伝統的に、モンツァはグリッドペナルティを受けてレースをスタートするのに最適な場所だ」と語った。
フェルスタッペンとピエール・ガスリーは既に、全てのPUコンポーネントが年間上限数に達しており、次に新しいエレメントの封を切れば、グリッド降格ペナルティーが科せられる。エンジン全開率80%を超える伊モンツァは、ヨーロッパラウンドの終わりを告げるレースであり、例年大規模なアップグレードが投入される傾向にある。
シルバーストンで開催されたイギリスGPでは、フェルスタッペンが予選でターボラグの問題に見舞われ、1周あたり最大0.2秒のタイムロスを訴えたが、ホーナー代表は「ホンダはかなり自信を持っているようだ」と述べ、問題解決に向けて楽観的な姿勢を見せている。
スペック3エンジンと新型フロントウイングをはじめとする車体側のエアロ改善によって、レッドブル・ホンダはオーストリアGPで初優勝の栄冠を掴み取った。続くシルバーストンでも、強敵フェラーリと拮抗するパフォーマンスを発揮。決勝でのスピードトラップでは時速340.3kmを記録し、”弾丸ロケット”と称されるフェラーリを上回るトップスピードを刻んだ。
レッドブル・ホンダは英国でのW入賞によって、コンストラクターズランキングでのフェラーリとのポイント差を52点まで縮め、2位の座を射程圏内に捕らえようとしている。シーズンの半分を消化した今、RB15にはコンスタントに表彰台を獲得できるだけの競争力が備わってきており、スペック4投入による更なる競争力拡大が期待されている。