レッドブル「ミスを犯した」指示無視騒動を経てフェルスタッペンの主張を承服

ヤス・マリーナ・サーキットでのシーズン最終戦を前にした集合写真撮影に臨むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年11月17日F1アブダビGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1サンパウロGPでのチームオーダー騒動から4日を経てレッドブル・レーシングは「幾つかのミスを犯した」として、セルジオ・ペレスとの順位入れ替え指示を断固として拒否したマックス・フェルスタッペンの主張を受け入れた。

レッドブルはインテルラゴスでの第21戦で、僚友ペレスに6位を譲るようチームオーダーを出したものの、フェルスタッペンは事前にそういったオーダーは拒否していたはずだとして「二度と言うな」と突っぱね、そのまま6位でチェッカーを受けた。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)から6点差でランキング2位を防衛する立場にあったペレスは、既に決定済みの今年のものを含めてフェルスタッペンのタイトル獲得に貢献してきたにも関わらず「どうして僕にポジションを明け渡さなかったのか理解できない」「本性が表れた」などと不満をあらわにした。

レッドブルはレース後、両ドライバーの関係修復に向けて話し合いの場を設けた。チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「ドライバー達は握手を交わした」と述べ、事態の収拾をアピールした。

フェルスタッペンはチームオーダー拒否の理由を明らかにしていないが、過去の何らかの出来事に関連したものだと仄めかしており、フェルスタッペンの母国オランダメディアは、今年のモナコGP予選でペレスがクラッシュした件に端を発するものだと伝えている。

F1アブダビGPの開幕を翌日に控えた11月17日(木)、レッドブルはブラジルでの対応で「幾つかのミスを犯した」と認めると共に、フェルスタッペンに事前の合意を取り付けておくべきだったと釈明した。

レッドブルは声明の中で「チームとして我々はブラジルで幾つかのミスを犯した。最終ラップに起きた状況を想定しておらず、レース前にそういったシナリオに対する戦略に合意していなかった」と語った。

「残念なことに、マックスは必要な情報がすべて伝わらないまま、最終コーナーで初めてポジションを譲ることを告げられた。そのため、いつもオープンでフェアなチームプレーヤーであるマックスは、対応する時間がほとんどない名誉を傷つけられるような状況に追い込まれた」

レッドブルは一件に関して今後も詳細を明かす意向がない事を強調しながらも、既に解決済みだと主張した。

「レースを終えてマックスは、両ドライバーが問題や懸念を解決できるよう率直かつ誠実に話してくれた」

「チームはマックスの理由を受け入れた。この会話は個人的な問題であり、チーム内において非公開とする。これ以上コメントすることはない」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ヤス・マリーナ・サーキットでのシーズン最終戦を前にした集合写真撮影に臨むセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年11月17日F1アブダビGP

また、一連の騒動がソーシャルメディアで大きな話題となり、関係者に向けて悪質な嫌がらせが行われていることを受けてこれを非難した。

「ソーシャルメディアの観点からすると、その後の出来事はまったく容認できるものではない」

「マックス、チェコ、チーム、そしてそれぞれの家族に対し、衝撃的で悲しい虐待的行為がネット上に飛び交った。残念なことにこれは、気が滅入る事に我々のスポーツが定期的に取り組まなければならない種類のものだった」

「レース界にも社会全体にもこのような物事が許される場所はない。我々は対処し、より良い方向に進まなければならない。結局のところ、これはスポーツであり、我々はレースをするためにここにいる」

「殺害予告、ヘイトメール、家族にまで辛辣な言葉が投げかけられるのは嘆かわしいことだ。我々はインクルージョンを重視し、全ての人が働き、そしてこのスポーツを楽しめる安全な空間を望んでいる。嫌がらせ行為はやめてほしい」

既に今年のチャンピオンを決めており、失うものがなかったにも関わらずフェルスタッペンがオーダーを無視した事について、識者の中には「自己中で底意地が悪い」との辛辣な非難を浴びせる者もある。

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