進化?退化? フェルスタッペン、レッドブル・ホンダRB16の第一印象は「かなりポジティブ」
レッドブル・ホンダとしての2世代目となる2020年型F1マシン「RB16」は昨季型の進化版であり、多くの興味深い開発が行われた事が伺える。最も印象的なのは車両の前部のフロントノーズだ。複雑な処理が施されたノーズの先端には2箇所の開口部が設けられており、マシンに沿って流れる空気の流れを確保することで、ダウンフォースを強化する狙いがあるように見受けられる。
先端部だけではない。チームはRB16の開発でノーズ幅自体を狭めることに成功している。空力効率向上のためにはできるだけ細いほうが好ましいが、ノーズには一定の剛性確保が求められるため幅を狭くすることは非常に難しい。それは”メルセデス以外のチームのノーズ幅”を見れば明らかだ。
また、ノーズ下部に設けられたケープと呼ばれるボディーワークは、今年7連覇を目指す王者メルセデスが始めたトレンドを踏襲している。コックピットより後方のボディーワークは、一体どこにパワーユニットが格納されているのかと疑問に思うほど絞り込まれ、フロア上部の気流の流れを改善することで、リア側のダウンフォースを向上させている。
マックス・フェルスタッペンは12日に英国シルバーストン・サーキットで行われた初の実施走行を終えて、RB16の感触は「かなりポジティブ」だと評価。非常に好意的な第一印象を得たと明かした。ミルトン・キーンズに本拠を置くレッドブルはこの日、自社のファクトリーからほど近いシルバーストンに、組み上がったばかりの新車「RB16」を持ち込みシェイクダウンを行った。
コスト削減の観点から、レギュレーションはテスト走行を厳格に制限しているが、年間2回までという上限はあるものの、プロモーション目的としたプライベート走行であれば1日100km以下のドライブが許されている。
この日の目的は、RB16のパフォーマンスに焦点を当てたものというよりはシステムチェックが中心。ステアリングを握ったフェルスタッペンは走行を振り返って「非常にポジティブ」な手応えを得たと語った。
「すごく良い感じだった」とフェルスタッペン。「バルセロナに向かう前に、実際にマシンを走らせてみて、きちんと稼働しているかどうかを確認することが重要だった。テストが楽しみで待ちきれない」
ホンダとの2年目を迎えたレッドブルは、昨年12月にフェルスタッペンとの契約を延長。2023年までの残留確約を取り付けた。アレックス・アルボンもサーキットに足を運んでいたが、この日はコース脇でチームメイトのドライブを見守った。
スペインのカタロニア・サーキットで行われるプレシーズンテストは、2月19日から21日までの3日間と、2月26日から28日までの3日間の計6日間。これが終わると、オーストラリアのメルボルンで3月15日に開幕戦が行われる。