レーシングポイントを従えて走るルノーのニコ・ヒュルケンベルグ、2019年F1日本GP決勝レースにて
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F1日本GP:レーシングポイント、”W入賞のルノー”に異議申立て…ブレーキシステムの合法性に嫌疑

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レーシングポイントF1チームは日本GP終了後、鈴鹿サーキットに投入されたルノーF1マシンのブレーキシステムの合法性に嫌疑の目を向け、統括団体のFIA国際自動車連盟に対し、正式に異議申し立てを行った。

FIAは、ルノーR.S.19には「事前に設定された走行距離数に応じてブレーキバイアスを調整するシステム」が搭載されているとして、レーシングポイントが異議申し立てを申請した事を明らかにすると共に、これを受理したと発表した。

FIAの声明では、レーシングポイント側は抗議の根拠としてF1技術規・F1競技規約、そしてFIA国際競技規約の3つを挙げているが、具体的にどのような違反性を指摘しているのかは現時点では明らかにされていない。

FIAは調査のために、ルノーが使用していた電子制御ユニット(ECU)とステアリングホイールを押収。調査期限に関しては公式からの発表はないものの、パドックからの情報では、FIA技術部門は16日水曜日までに調査を全て終える意向だという。

興味深いのは、レーシングポイントがルノーに対して異議申し立てをしたという点だ。仮にメルセデスがウィリアムズのマシンの合法性を疑ったとしても、実際に抗議する事はないだろう。6連覇を飾るチャンピオンチームが、選手権ポイント1点でダントツの最下位に沈むチームを陥れるメリットは何もない。

日本GP終了時点でルノーは、鈴鹿でのW入賞で大量得点を稼ぎ、計77ポイントでコンストラクターズ5位につけている。一方のレーシングポイントは54ポイントで7位。その差は23ポイントだが、本件が失格処分となりルノー勢が日本GPのリザルトから除外されれば、両者の差は14ポイントへと一気に縮まる。レーシングポイントは、トロロッソ・ホンダとルノーを突き落とし、選手権5位を獲得する事を本気で狙っていると言えそうだ。

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