角田裕毅、深い溜息と共に「大惨事」を回顧…予想を超えたVCARBの圧倒的ペース不足
高速のロサイル・インターナショナル・サーキットで行われたF1第23戦カタールGPをポイント圏外13位で終えた角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、予想を超えるVCARB 01のペース不足を「大惨事」と評した。
1周目に誰よりも多い追い抜きを決めて10番手に浮上した角田裕毅は、5周目のリスタートでフェルナンド・アロンソを交わし、さらに順位を上げる最高のスタートを切った。だが、VCARB 01のレースペースはライバルに比べ大幅に劣っていた。
角田裕毅は10周目にケビン・マグヌッセン、13周目にピエール・ガスリーに抜かれてポイント圏外に後退すると、さらに14周目にはアロンソ、15周目には周冠宇、20周目にはバルテリ・ボッタスにも交わされ、あっという間に14番手まで順位を下げた。
3回目のセーフティーカー(SC)導入を機に、RBは2台をピットインさせ、ソフトタイヤを履かせるギャンブルに打って出たが、競争力不足の穴を埋めることはできず、角田裕毅は13位、リアム・ローソンは14位でフィニッシュした。事実上の最下位だった。
レースを総括するよう求められた角田裕毅は、「スタートは良かったです。唯一のチャンスだと分かっていましたし。でも正直、その後は大惨事でした。あそこまでペースが悪いとは思ってもみませんでした」と振り返った。
さらに、「全力を尽くしたのですが、全くペースがありませんでした」と付け加え、深い溜息をついた。
レース中のファステストラップではRBの2台が最下位に並んだ。2番目に遅かったニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とは1.3秒の大差がついた。1分22秒384の全体ベストを記録したランド・ノリス(マクラーレン)との差は別カテゴリー水準の3.7秒に達した。
目標に掲げていたコンストラクターズ選手権6位は絶望的だ。アルピーヌはピエール・ガスリーの活躍でRBとの差を13ポイントに広げた。
だが、7位のハースに目を向ければ8ポイント差と、最終アブダビGPでの展開と結果次第では、RBが7位に浮上する可能性はゼロではない。
カタールでの結果を踏まえ、1週間後に迫るヤス・マリーナ・サーキットでの最終戦に向けて、どのような準備が必要かと問われた角田裕毅は、「まずはリセットすることが必要」と答えた。
加えて、昨年も同様にカタールで苦戦したことに触れ、「ここで良いパフォーマンスを発揮するうえで、まだ見つけられていない何かがあるのかもしれません」と課題の洗い出しの必要性を強調し、次のように続けた。
「なので、アブダビのレースだけでなく来年のカタールに向けてという意味でも、しっかり見直しを行い、何が起きているのかを突き止めなければなりません」
苦戦の原因についてCTOのティム・ゴスは、現時点では判明していないと認め、原因を究明するまで「休むつもりはない」と強調し、「アブダビでは、より優れたレースカーをドライバーに与えられるよう全力で取り組んでいく」と誓った。
2024年F1第23戦カタールGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝を飾り、2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続いた。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とする次戦アブダビGPは12月6日のフリー走行1で幕を開ける。