スクーデリア・フェラーリSF71H
copyright ScuderiaFerrari

F1 テスト最終日《総合結果》跳馬ライコネンが最速!ホンダ 成功裏にテスト完了。ターボ故障のマクラーレンは意地の2番手

  • Published: Updated:

3月9日(土)、2018年F1世界選手権シーズン前バルセロナテストの計8日間の日程が全て終了した。開幕戦の行方占うテスト最終日をトップタイムで締め括ったのは、グリッド最年長のフェラーリ、キミ・ライコネン。体調不良からカムバックしたアイスマンは、桃色ハイパーソフトを履き1分17秒221を記録、僚友セバスチャン・ベッテルが昨日記録した17秒182に百分の4秒差と迫った。

2番手につけたのはマクラーレンF1チームのフェルナンド・アロンソ。連日の信頼性不足はこの日も止まらず長時間の離脱を余儀なくされた。現地10時、7コーナーでオイルを吹きながらマシンストップ。原因はターボチャージャーだという。

チームはエンジン交換を実施、マシンストップから5時間後の現地15時前、ようやくコース上に復帰した。失った時間を取り戻すべく、その後アロンソは93周を走り込みハイパーソフトタイヤで1分17秒784を記録。トラックリミットのために抹消されたが、チェッカーフラッグ直前に1分16秒720を刻む場面も見られた。

マクラーレンMCL33を駆るフェルナンド・アロンソ
© Mclaren

3番手にはルノー・スポールF1チーム。カルロス・サインツが18秒092を刻み、ルノーRS18が17秒台を射程圏内に捕らえていることを知らしめた。目立たないながらも2人のドライバーで圧倒的な量を走り込んできたルノーワークスだが、この日は些か様子が異なっていた。

セッション開始早々からギアボックストラブルのためにガレージに閉じ込められ、午前中のセッションは僅か4周。当初は午前をサインツ、午後をニコ・ヒュルケンベルグが担当する予定であったが、サインツの続投が決定。夕方近くになってようやくコースに姿を見せ、かろうじて45周を走るに留まった。

テスト最終日のバルセロナ、カタロニア・サーキットの上空には澄み切った青空が広がり、現地12時正午の時点で気温18℃、路面温度36℃まで上昇。風もなく、締め括りに相応しい格好のテスト日和に恵まれた。公式の昼休みは設定されず、各車午後18時の終了までノンストップでプログラムを実施した。

合同テスト最終日のカタロニア・サーキット
© Getty Images / Red Bull Content Pool

エイドリアン・ニューウェイ全面監修のRB14に注目が集まるレッドブルはこの日、ダニエル・リカルドが担当。上位3台が桃色ハイパーソフトを履いてのアタックを行う中、赤色スーパーソフトで18秒327を記録し4番手に続いた。

5番手はハースのロマン・グロージャン。昨日の総合2番手タイムが偶然でないことを証明するかの如く、ウルトラソフトで18秒412を記録。コンパウンド差を補正すると、ハースは本家フェラーリと遜色ないペースを示している。計上したトータルラップも181周と本日最多。18年シーズンのダークホースに名乗りを上げた。

ハースVF-18のロマン・グロージャン

新たな旅路を行くトロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレーがハイパーソフトで18秒949を刻み7番手。8時間のセッションで計156周を走破し、プレシーズンテストを成功裏に締め括った。

王者メルセデス勢は淡々とロングランをこなし、手の内を明かさずにテストを終えた。午前を担当したルイス・ハミルトンはスーパーソフトで19秒464の11番手、午後のバルテリ・ボッタスはミディアムで18秒825の6番手タイムであった。

ウィリアムズはこの日、ロバート・クビサとセルゲイ・シロトキンが担当する予定であったが、直前になってラインナップが変更ぬ。クビサに代わってランス・ストロールがFW41のステアリングを握る事になった。その理由についてクレア・ウィリアムズ副代表は、悪天候などの理由によってランス・ストロールの走行時間が限られたためだと説明した。

クビサ本人は「みんなはまるで僕が投げ出したかのように思ってるみたいだけど、僕はそんな事してないよ」と冗談を述べ、「僕はレースドライバーではなく開発ドライバーだからね」と語った。午前を担当したシロトキンは19秒189を刻み10番手、午後のランス・ストロールは19秒954の最後尾に沈んだ。

第二回 F1合同テスト4日目 順位結果

Pos. Driver Team Time Tyre Lap
1 キミ・ライコネン フェラーリ 1分17秒221 ハイパーソフト 157
2 フェルナンド・アロンソ マクラ-レン 1分17秒784 ハイパーソフト 93
3 カルロス・サインツ ルノー 1分18秒092 ハイパーソフト 43
4 ダニエル・リカルド レッドブル 1分18秒327 スーパーソフト 92
5 ロマン・グロージャン ハース 1分18秒412 ウルトラソフト 181
6 バルテリ・ボッタス メルセデス 1分18秒825 ミディアムタイヤ 104
7 ブレンドン・ハートレー トロロッソ・ホンダ 1分18秒949 ハイパーソフト 156
8 エステバン・オコン フォース・インディア 1分18秒967 ハイパーソフト 163
9 シャルル・ルクレール ザウバー 1分19秒118 ハイパーソフト 75
10 セルゲイ・シロトキン ウィリアムズ 1分19秒189 ソフト 105
11 ルイス・ハミルトン メルセデス 1分19秒464 スーパーソフト 97
12 ランス・ストロール ウィリアムズ 1分19秒954 ソフト 27

2018年の開幕戦F1オーストラリアGPの決勝レースは、3月25日(日)にアルバート・パーク・サーキットで行われる。