ロマン・グロージャン、アンドレッティを相手に仲裁手続き開始
インディカー・シリーズに参戦するアンドレッティ・オートスポーツ(現アンドレッティ・グローバル)からの放出を経てロマン・グロージャンが、チームに対する仲裁手続きを開始した。
ハースでのF1キャリアを経て2021年にデイル・コイン・レーシングからインディカーにデビューしたグロージャンは、その翌年に2年契約を結んでアンドレッティに移籍。2024年以降に向けた契約延長を望んでいたが、合意に至らなかった。
37歳のフランス人元F1ドライバーは10月4日、ソーシャルメディアに次の声明を公開し、アンドレッティに対して法的手続きを開始した事を明らかにした。
「アンドレッティ・オートスポーツでのインディカーチームとの仕事は楽しかった。それに2シーズンを通して分かち合った成功を誇りに思っている。アメリカン・オープンホイール・レースの最高峰で育まれた数多くの友情に感謝している」
「この先も数年間に渡ってアンドレッティ・オートスポーツの素晴らしい仲間たちと一緒にレースを続けることを期待していた。それが叶わなかったのは残念だ。チームメンバーの幸せを祈っている」
「今はインディカーでのキャリアを続けるために他の選択肢を模索しているところだ。僕は自分の権利を守るために、インディアナ州でアンドレッティ・オートスポーツに対して仲裁手続きを開始した」
LIMITED STATEMENT OF ROMAIN GROSJEAN REGARDING ARBITRATION pic.twitter.com/BUkCwzZCPd
— Romain Grosjean (@RGrosjean) October 4, 2023
仲裁は紛争の解決を目的とした制度で、中立的な第三者である仲裁人の判断に従うことを双方当事者が合意の上、行われる。裁判のように上訴する事はできない。
仲裁では、アレックス・パロウを巡る昨年の訴訟でチップ・ガナッシ・レーシングの代理人を務めた弁護士、バーンズ・アンド・ソーンバーグ法律事務所のジョン・マレイとマーク・オーウェンズがグロージャンの代理人を務める。
グロージャンが何を求めているのかは不明だが、「他の選択肢を模索」としている事から、アンドレッティに対して2024年のシートを求めているわけではなさそうだ。実際、古巣デイル・コインやエド・カーペンターとの話し合いが取り沙汰されている。
アンドレッティでの2年目を迎えた今年、グロージャンは開幕4戦で2度に渡って2位表彰台に上がり、好調なシーズンを切った。そのためチームは2024年に向けての契約延長に前向きと考えられていたが、その後はマシントラブルやオペレーションミスが相次ぎ低迷。5月のインディ500では単独クラッシュを喫し、続くデトロイトでもクラッシュと、結果を残せない厳しい状況が続いた。