レッドブル・リンクのホームストレート、1コーナー側から
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ピレリ、レッドブルリンク2連戦のF1シュタイアーマルクGPとオーストリアGPで異なるコンパウンドを供給

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2021年シーズン最初のトリプルヘッダーの初戦が終わり、F1カレンダーにはレッドブル・リンクでの2連戦が控える。F1公式タイヤサプライヤーのピレリはこの両レースにおいて供給するコンパウンドを分ける。

6月25-27日のF1第8戦シュタイアーマルクGPではフランスGPと同じ中間レンジのC2、C3、C4が持ち込まれる。その翌週末に同じレッドブル・リンクで行われるF1第9戦オーストリアGPでは1段階柔らかいC3、C4、C5が供給される。

同一開催地での2週連続開催レースで異なるコンパウンドが持ち込まれるのは、シルバーストン・サーキットで開催された昨年のイギリスGPと70周年記念グランプリの時と同様の手法だ。

異なるコンパウンドを選択した理由についてピレリは「2つのレースの間に差をつけ、戦略的なバリエーションを提供するため」としている。

全長4326mと短く、僅か10コーナーで構成されるシュピールベルクのサーキットは、次から次へとコーナーが現れ高低差が幾度となく変化するという点で”ジェットコースター”と形容されるものの、タイヤへの要求はそれほど厳しくないため最も柔らかいコンパウンドでも対応する事が可能だという。

レッドブル・リンクのコーナーの大半は右コーナーだが、最も負荷の高い2つのコーナーは左コーナーであり、ラップを通して同じ側のタイヤに負荷が加わり続けることはない。

レッドブル・リンクでのオーストリアGPは伝統的に、セーフティーカー導入といった変則的な出来事がなければ基本的には1ストッパーが主流となる。第1レースのシュタイアーマルクGPでは例年と同じ傾向となる事が予想されるが、1段階柔らかいコンパウンドが供給される第2レースのオーストリアGPでは2ストップ戦略が見られるかもしれない。

ピレリのモータスポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「2回目の週末に各チームが最も柔らかいC5タイヤをどのように使いこなすかが注目される。また、この新しい選択が戦略にどのような影響を与え、シュタイアーマルクGPとは異なるチャンスを生み出すのかどうか、興味深いところだ」と語った。

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