F1ハンガリーGPでメディアからの取材に対応するフォース・インディアのセルジオ・ペレス
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フォース・インディアへの法的手続きを主導したペレス、辛い胸の内を明かす「400人の仲間を守るため」

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フォース・インディアを破産手続きに追い込んだセルジオ・ペレスは、このような行動に至ったのはチームスタッフを守るためであり、出来る事であればこのような手段を講じたくはなかったと述べ、数ヶ月間に渡って続いた辛い胸の内を明かした。

ペレスは、チームにパワーユニット及びギアボックスを供給するダイムラー/メルセデスと、メインスポンサーのBWTと共に、ロンドン高等裁判所に対してフォース・インディアF1・リミテッドの破産手続き申立書を提出。F1ハンガリーGP初日セッションが行われた7月28日(金)夜に受理され、法的措置の開始が決定した。

管財人として任命されたのは有限責任事業組合のFRP Advisory LLP。同組合のジェフ・ロウリーはチーム解体の可能性は否定しないものの、チームを存続させるための選択肢についても評価している事を明らかにしている。

シーズン開始前から財政難が伝えられていたインドの名を持つ英国拠点のチームは複数の利害関係者に対して負債を抱えており、その中に上記の面々が含まれていた。中でも同チームのレギュラードライバーを務めるペレスが、今回の申し立ての主導的役割を果たしていたことが明らかとなった。

メキシコ資本のスポンサーマネーを持ち込んでいるペレスの債権は300万ポンド(約4億3600万円)の未払報酬であるが、行動を起こした理由は、あくまでもチームで共に働く仲間を守るためだったという。

「チームの中の何人かに、チームと、ここで働いている400人の仲間を助けるために行動を起こしてくれないかって頼まれたんだ。ハッキリ言って苦しかったよ。感情的にも精神的にも辛すぎて、最近はレーシングドライバーとして役割にも、自分のドライビングにも集中出来なくなってたんだ」

事は数ヶ月前から起こっており、ペレスはドライバーとしての職務と仲間を守らなければ…という使命感の板挟みの中で苦しんでいた。

「何か手を打たなきゃならない時期が迫っていたんだ。400人の仲間を守る必要があった。可能ならこんなことには関わりたくなかった。僕はただのレーシングドライバーで、ドライブするために存在してるんだから。自分の仕事に集中しようと頑張ったけど、出来なかった」

「フォース・インディアのファイナンスは危機的な状況が続いていたんだ。今週の水曜日、債権者の一人がロンドンの裁判所に足を運んでチームを解散させようと動いていたんだ。もしそれが成功した場合、チームはすぐに閉鎖へと追い込まれ、全員が職を失う事になっていたはずなんだ」

「僕自身もチームの債権者の一人だったんだけど、それとは違う法的手続きを使って行動を起こすよう頼まれた。その方法を使うと、新しいオーナーが見つかるまで、会社を継続できるんだ。僕らは迅速かつ動かなきゃならなかった。メルセデスとBWTの助けを得て事を進めた結果、昨日裁判官が僕らの請願を認めてくれた。運が良かったよ」

「結果としてチームは管財人の管理下に置かれたんだ。管財人はチームを売却することで、ここで働く400人の素晴らしい仲間達の仕事を守ることが出来るんだ。ストレスの溜まる数ヶ月間だったけど、正しい事をすることが重要だった。僕はこのチームに輝ける未来があると信じてる」