F1エンジニアのパット・フライ
Courtesy Of Mclaren

マクラーレンF1、かつての栄光知るパット・フライ復帰を発表。ジェームス・キーの代役として技術部門を指揮

  • Published:

マクラーレンF1は9月4日、チームのかつての栄光を知る元チーフ・エンジニア、パット・フライの復帰を正式発表した。54歳の英国人技術者はエンジニアリング・ディレクターとして古巣に再加入する。

凋落の一途を辿るウォーキングのチームは、常勝軍団への返り咲きを目指してチーム再編に着手。今年に入ってティム・ゴスやマット・モリスら技術部門のマネジメントを相次いで更迭。7月にはチーム代表を務めていたエリック・ブーリエを首にし、後任にジル・ド・フェランを据える人事異動を行った。

チームは更に、トロロッソで技術部門トップを務めていたジェームス・キーをヘッドハント。ハンガリーGP開催直前に契約を発表したが、トロロッソのフランツ・トスト代表がこれを牽制。キーとの間には長期的な契約があるとして、マクラーレンとの新たな契約は無効だと主張した。

チーム立て直しの牽引役としての役割をキーに期待していたマクラーレンの計画は頓挫。移籍実現は早くとも来年と目されており、最高技術責任者不在の状況が長引くのは好ましくない。フライはエンジニアリング・ディレクターという肩書で、キーが合流するまで技術部門の指揮を取る事になる。

ベネトンでF1でのキャリアをスタートさせたフライは、1993年にマクラーレンに移籍。ミカ・ハッキネンやデイビッド・クルサードのレースエンジニアを務めるなどした後、チーフエンジニアに昇格。ティム・ゴスとの2トップ体制でマシン開発を主導するなど、ハッキネンとルイス・ハミルトンによるタイトル獲得に貢献した。

2010年にフェラーリへと移籍した後、2016年にマノー・レーシングに加入。だが財政難に陥ったチームは1年足らずで破産。その後の消息は不明となっていた。

かつて名門と称されたマクラーレンは、2013年以降は一度も優勝出来ておらず、中団グループ最下位を争う程に弱体化。ホンダバッシングを繰り広げる事で今年念願のルノーエンジンを手に入れたものの、依然として目標としていた優勝争いには程遠く、フランスGP予選では2台揃ってQ1敗退。これには英国のファンも激怒。「遅いのはホンダのせいじゃなかった…」と猛烈な批判が殺到した。