マクラーレンF1、育成傘下のランド・ノリス起用を正式発表。バンドーンの後任として2019年から
マクラーレンF1チームは2018年9月3日、2019年シーズンより育成傘下のランド・ノリスを起用する事を正式発表した。ノリスはF1引退を発表したフェルナンド・アロンソの後任、カルロス・サインツのチームメイトとして、史上最多タイの全21戦からなる来季FIA F1世界選手権に参戦する。発表のちょうど1時間前、チームは現レギュラードライバーのストフェル・バンドーン放出を発表したばかりであった。
ノリスは1999年11月13日にマクラーレンの本拠地イギリス・ブリストルで生まれ、2017年にFIA欧州F3選手権にカーリンから参戦、9勝を挙げチャンピオンを獲得した。昨年11月に、18年シーズンのマクラーレン・ルノー公式テスト兼リザーブドライバーへの就任が発表。今年はカーリンからFIA F2選手権に出場し、現在タイトル争いで2位につけている。
今シーズンはF1公式テストで走行経験を積む傍ら、第13戦ベルギーGPの初日フリー走行でバンドーンに代わってグランプリデビュー。先日の第14戦イタリアGPでもFP1でステアリングを握るなど、チーム上層部は来季ドライバーラインナップの検討のため、ノリスへの評価を重ねてきた。
ノリスの契約は複数年。マクラーレンはドライバーラインナップを一新し、新しい二人のドライバーと共に2019年シーズンのF1に挑むこととなる。2度のF1ワールドチャンピオンを放出し若手2名を起用する事で、ドライバーへの年俸支払い金額は大きく削減。ノリスの起用はチームの財政面にも大きく貢献する事になる。
「マクラーレンのレースドライバーになる事は僕の夢だったんだ」とノリス。「チームに合流して暫く経つけど、この夢が現実になる事だけをずっと願ってた。この特別な瞬間を経験できて本当に嬉しいよ」
「僕を信じてこの素晴らしいチャンスを与えてくれたチームに感謝したい。開発ドライバーとして、金曜フリー走行や公式テストで経験を積むチャンスをくれた事にも心から感謝してる」
「残された2018年シーズンについては、F2のチャンピオンシップに集中して取り組むつもりだ。簡単な事じゃないけど、フルタイムドライバーとしてマクラーレンに合流する前に、タイトルを獲得するのが僕の目標だからね。残された4レースを全力で戦うよ」
「これと並行して、来年に向けての準備を進めるために、マクラーレンと緊密に協力しながらドライバーやエンジニア、メカニックの皆からでできるだけ多くの事を学びたいと思ってる」
ザク・ブラウンCEOは、成績不振が続くマクラーレンF1を再建する上でノリスは「必要不可欠な存在」と評し、これまでのノリスに対する投資が来シーズン以降大きな意味を持つだろうとの声明を発表した。