F1王者ニコ・ロズベルグ、ハミルトンに続き自身のチームを立ち上げ電動SUV「エクストリームE」に参戦
電動オフロードレースの新シリーズ「エクストリームE」は10月22日、2016年のF1ワールドチャンピオンであるニコ・ロズベルグが、自身のチーム「ロズベルグ・エクストリーム・レーシング(RXR)」を結成し、2021年にレースデビューを果たす事を発表した。
ロズベルグはF1引退後、地球環境保全に高い関心を持つ起業家として活躍。サステイナビリティ関連のスタートアップ企業やフォーミュラE選手権への投資の他、2019年には先駆的なグリーンテクノロジーを広めるためのグローバルプラットフォーム「グリーンテック・フェスティバル(GREENTECH FESTIVAL)」を設立している。
RXRとエクストリームEは4大陸にまたがる5戦を通じて、シリーズの視聴者に対して気候変動に関する問題提起を行い、環境に対する意識を高めていく計画だ。またRXRは開幕初年度に、セネガル農村部のコミュニティと協力して水資源や植生の状態監視に関わる活動を行っているモナコ公国のアルバート2世財団のプロジェクトを支援する。
RXRの創設者兼CEOとなったロズベルグはチームのお披露目に際して「このシリーズは問題意識を高めるだけでなく、今日の地球環境にとって最大の脅威である気候変動との戦いにおいて、行動を促す素晴らしいチャンスでもある。F1を引退して以来、僕は持続可能な技術にキャリアを捧げてきた。こうした努力とレースへの情熱を両立させる事ができ、本当に充実した気分だ」と語った。
エクストリームEのアレハンドロ・アガグCEOは、RXRの参戦を歓迎すると共に、数ヶ月前からロズベルグとの間で交渉を進めていた事を明かした。
現時点では米国の名門チップ・ガナッシ・レーシングやアンドレッティ、HWAなどの参戦が決定しておりXRSは9番目のチームとなるが、その中にはメルセデスF1時代に世界タイトルを巡って激闘を重ねたルイス・ハミルトンによるチーム「X44」も含まれる。
エクストリームEは、森林破壊や砂漠化、海面上昇などの気候変動による深刻な脅威にさらされている北極や砂漠、熱帯雨林や氷河や沿岸など、5つの過酷な地形を舞台に2021年に初開催される電動SUVシリーズだ。
競技車両は「ODYSSEY 21」と名付けられた電動SUVで、0-100km/h加速は4.5秒、最大130%の勾配を走行する事ができる。ニオブ強化スチール合金製のチューブラーフレームシャシーを製造するのはスパーク・レーシングテクノロジーで、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが開発したバッテリーを搭載。足元にはコンチネンタルタイヤを履く。