ルイス・ハミルトンが設立したチームX44のエクストリームEマシン

ルイス・ハミルトン、チーム「X44」を設立…電動SUV「エクストリームE」への参戦を発表

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6度のF1ワールドチャンピオンとしてメルセデスから2020年シーズンのF1世界選手権に参戦中のルイス・ハミルトンが9月8日(火)、自身のレースチーム「X44」の設立ならびに新設の電動SUVレースシリーズ「Extreme E(エクストリームE)」への参戦を発表した。チーム名の「X44」は、ハミルトンのカーナンバーにちなんで名付けられた。

エクストリームEはフォーミュラE選手権創設者のアレハンドロ・アガグと、マクラーレンF1のスポーティング・ディレクターを務めるジル・ド・フェランが共同で立ち上げた電動オフロードレースシリーズで、排気ガスを排出しない電気を動力とする4輪駆動のマシンを用いて北極や砂漠、熱帯雨林といった極限の環境下でレースを行うものだ。

エクストリームE参戦発表を行うルイス・ハミルトン

ハミルトンとメルセデスAMGペトロナスF1チームとの契約は今シーズン末を持って満了を迎えるが、現時点で契約更新は発表されていない。だがハミルトンは「メルセデスF1とのコミットメント」を理由として「僕がドライバーとしてX44に関与する事はない」としており、事実上2021年以降もメルセデスF1に留まる事を認めた。

X44におけるハミルトンの当面の役割は、F1キャリアにて培ったノウハウを活かして、競争力あるチームを作り上げる事にあるようだ。

ドライバーはまだ未定のようだが、若手のドライバー・エンジニア・技術者にチャンスを与える事で、次世代のモータースポーツを背負って立つワールドクラスの人材の育成と多様性の促進に尽力したいとしている。なお各レースチームは、女性プロドライバー1名、男性プロドライバー1名を含む7名のスタッフで構成される。

2021年開幕のシーズン1にはX44の他に、米国からチップ・ガナッシ・レーシングとアンドレッティ・ユナイテッドが、ドイツからはアプトとHWAが、インドネシアからはテキータが、スペインからはQEVテクノロジーズが、そして英国からはヴェローチェ・レーシングの参戦が発表されている。

ハミルトンはエクストリームEへの参戦を決めた理由として「持続可能かつ平等な世界の実現を目指す僕のビジョンに沿う」「エクストリームEが環境に重きを置いている点が魅力的」と説明した。

エクストリームEの創業者兼CEOであるアレハンドロ・アガグは「ルイスとはモータースポーツへの情熱だけでなく、スポーツを利用して気候変動や平等といった重要なテーマにスポットライトを当てるという信念を共有している。迎え入れる事ができて感激だ」と語った。

エクストリームEの車両は「ODYSSEY 21」と名付けられたE-SUVで、スパーク・レーシング・テクノロジー社が製造を担当する。0-100km/hは僅かに4.5秒で、最大130パーセントの勾配(角度換算で約53度)まで走行が可能とされている。搭載するバッテリーは、ウィリアムズF1が昨年末にEMKキャピタルに売却したウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング社製で、フレームにはニオブ強化スチール合金が用いられ、足元にはコンチネンタルタイヤを履く。

コースが大自然の中にあるため、レースのための運営拠点となるパドックは、数百万ポンドを投じて改修された旧英国王立郵便船セントヘレナ号上に作られる。この”動くパドック”はマシン及びチームメンバーを戦いの舞台へと送り届けるだけでなく、チームの拠点・研究開発ファクトリーとしても利用される。

地域への影響を最小限に抑えるため観客は動員されず、レースの模様はソーシャルメディアやテレビ生中継を通じて配信される。