
元F1ニコラス・ラティフィ、MBA取得を公表「人生で最も充実した2年間」新たなキャリアへ
F1を離れて約2年。ウィリアムズの元F1ドライバー、ニコラス・ラティフィが、世界トップクラスのビジネススクールとして知られるロンドン・ビジネス・スクール(LBS)でMBA(経営学修士)を修了。レーシングスーツを脱いだ後、学生として新たな挑戦に身を投じていた近況を明かした。
「最後の投稿からしばらく経った。LBSでMBAの取得に取り組んでいたんだ。気を散らすことなく学業を楽しみたかった」——ラティフィは自身のSNSでこう綴り、数カ月前に卒業したことを報告した。
特筆すべきは、ラティフィが学部課程を修了せずにMBAプログラムに挑んだという点だ。多くのビジネススクールが学士号を入学条件とする中、LBSは実務経験などを考慮した柔軟な選考を行っている。
「最初は不安もあったけど、すぐにLBSのコミュニティは温かく迎え入れてくれた。おかげで、生涯続く友情を築けた」とラティフィ。「この2年間は学びと成長、新しい経験に満ちた僕の人生で最も実りある時間になった」と、充実した学生生活を振り返った。
サーキットでの3年間—栄光と試練
30歳のカナダ人ドライバーのF1キャリアは、2020年から2022年までの3シーズンにわたった。2012年にイタリアF3でシングルシーター・デビューを果たし、FIA-F2選手権へとステップアップ。2019年の最終シーズンには4勝を挙げてランキング2位に入り、翌年にはウィリアムズのレースドライバーへと昇格した。
背景には、イラン系カナダ人実業家である父マイケル・ラティフィの強力な財政支援があった。だがF1では苦戦を強いられ、3シーズンで通算9ポイント、最高位は2021年のドライバーズランキング17位に留まった。
Courtesy Of Williams
ウィリアムズF1のニコラス・ラティフィ、2021年11月21日F1カタールGPにて
そして2021年アブダビGPでの出来事が、彼のF1人生を象徴する瞬間となる。終盤にクラッシュしてセーフティーカーを招いたラティフィ。その後のリスタートで、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンを抜き、劇的にワールドチャンピオンを決めた。
この一件は大きな議論を呼び、ラティフィは図らずもF1史に残る一戦の当事者となった。オンライン上では殺害予告を含む過激な誹謗中傷を受けた。
ビジネスの世界へ—新たな物語の始まり
今回の投稿でラティフィは「これからの展開を楽しみにしてほしい」とだけ述べ、次のキャリアの詳細については明かしていない。だが、世界有数のビジネススクールで経営学を修めたという事実は、ビジネスリーダーとしての道を歩み始めたことを示唆している。
モータースポーツビジネスへの関与か、あるいは全く新しい分野への挑戦か。サーキットで培った精神力と、LBSで磨いたビジネススキルを武器に、ニコラス・ラティフィの次章が幕を開けようとしている。
Courtesy Of Williams
ウィリアムズF1のドライバー達、ロバート・クビサ、ジョージ・ラッセル、ニコラス・ラティフィ