上位序列に変化? F1イギリスGP投入の新型タイヤ、”あのチーム”の利となるか
F1第11戦イギリスGPでは、2024年仕様での導入が計画されていた新たなマテリアルを前倒し採用した新型スリックタイヤがデビューする。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラによれば、この新スペックは耐久性のみを高める事を目的としており、技術的なパラメーターや挙動に影響を与えるものではないとしている。
だが伊「Formu1a.uno」は、フロント側の方が幾らか構造が強固で、フェラーリやアストンマーチンなど、フロントエンドに課題を抱えているマシンにアドバンテージをもたらす可能性があると伝えた。
実際、フェラーリのフレデリック・バスール代表はオーストリアGPを終えて「シルバーストンで導入される新しいタイヤでゲームが変わることを期待している」と語っている。
「すべてのチームが公平な条件」となるようピレリは、スペインGPのFP1およびFP2で1台につき2セットの新型タイヤを供給し、イギリスGPでの導入に向けてチームのためのテストの場を用意した。
シーズン途中でのスペック変更は予想外の事態を受け急遽決定されたものだった。
開幕5戦を経て、プレシーズン段階でチームから提供されていたシミュレーションデータを遥かに上回る速度とダウンフォースを2023年型F1マシンが発揮している事が判明。安全確保を理由として特例が適用され、シーズン中の変更が認められる事となった。
新型タイヤのデビュー戦となるシルバーストン・サーキットは、タイヤに対する負荷、横力がカレンダー最強とされている。特に左フロントに厳しく、C1~C3の最も硬いコンパウンドが持ち込まれる。
F1イギリスGPを終えてレッドブルとハース、ウィリアムズの3チームはそのままシルバーストンに留まり、7月11~12日の2日間に渡ってタイヤウォーマー不要のプロトタイプタイヤの開発テストに取り組む予定だ。