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悩めるフェラーリF1、組織変更…パフォーマンス開発部門を新設

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F1世界選手権に参戦するスクーデリア・フェラーリは7月22日(水)、技術部門の効率化およびパフォーマンス開発をより総合的に進めていくために組織変更を行い、”パフォーマンス開発部門”を新設して、その責任者にエンリコ・カルディーレを任命したと発表した。

その他の主要部門に変更はなく、パワーユニット部門はエンリコ・グアルティエーリが、競技面とトラックサイドに関してはローラン・メキースが、そしてシャシーエンジニアリング部門はシモーネ・レスタがそれぞれ引き続きトップを務める。指揮系統は従来よりも集中的かつ簡素化され、各部門の責任者の権限と責任が強化される。

惨状を考えれば抜本的な組織変更もあり得るかに思われたが、チーム代表兼マネージングディレクターを務めるマッティア・ビノットの役割に変更はなく、あくまでの既存の組織体制を維持し、これを強化するに留まった。

2020年シーズンの開幕3連戦を終えて、フェラーリの今季型マシンSF1000がライバルより遅い事は明らかで、それはフェラーリ自身が認めている。潜在的な違法行為を取り締まるために昨季終盤に相次いで発行されたFIAの技術指令の影響でエンジンの性能大幅に低下。更にSF1000は空力に大きな課題を抱えており、今季3レースの中で獲得した表彰台は僅か1回と、コンストラクターズ選手権では5位に沈んでいる。

マッティア・ビノット代表は、今回の組織変更について「数日前に示唆したように、我々はマシンの性能面での設計及び開発のスピードアップのために、技術部門に変更を加えた」と説明した。

「技術人材に対する会社側の信頼を再確認する一方、責任の所在と作業プロセスを明確にするための方向転換が必要だった。エンリコ・カルディーレが率いる新たな部署は、ローリー・バーンやデビッド・サンチェスといった確立された評価を持つエンジニアの経験を頼りにすることができる。クルマの開発の礎となるだろう」

「我々は、現在の人材は最高レベルにあると信じており、この点において競合他社を羨むことは全くない。だが決定的な変更が必要となり。各部門のトップの責任に対するハードルを引き上げる事になった」

「これまで何度か言及しており繰り返しになるが、我々は永続的な勝利のサイクルにつながるプロセスの基礎を築き始めたが、成果が出るには時間がかかるため、今後も結果やパフォーマンスといった面において、今我々が直面しているような挫折に見舞われることもあるだろう」

「だが我々は、一日も早くこのスポーツの頂点に戻るために、強い意志を以てこの課題に取り組まなければならない。それが我々の願いであり、また、世界中のファンが我々に期待していることなのだ」