シャルル・ルクレール、母国GPを語る「モナコのコースは5歳の時にバス通学で使っていた道」
モナコGPの戦いの舞台となるのは伝統のモンテカルロ市街地コース。カレンダー最短にして最遅のドライバーズサーキットは、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールにとって、幼少の頃にバス通学で使っていた道だった。
周囲をフランスに囲まれた世界で2番目に小さな国、モナコ公国は、スイス等と並び有数のタックス・ヘイブン(租税回避地)として知られ、世界中からセレブや億万長者が集まる。F1ドライバーも例外ではなく、ルイス・ハミルトンやニコ・ヒュルケンベルグ、ダニエル・リカルドらがモナコに自宅を構えている。
「正直なところ、モナコには僕より有名なドライバーがいるから、彼らに聞いてみてよ」レースウィークではない時のモナコの町並みについて聞かれたルクレールはこのように返した。
「確かに僕はモナコ人だから、皆とはちょっと違うけどね。モナコの人々は有名人に慣れているから、街の中で見かけても呼び止めたりはしないんだ。でもグランプリの時期になると、モナコを歩き回るのはちょっと難しい。グランプリを観戦するために観光客がたくさんやって来るからね。そりゃ、彼らは写真を撮りたがるもの」
「週末を自宅で過ごせるのはホント最高だよ。ここは僕が育った街だし、この通りをドライブ出来るなんて僕にとっては本当に名誉なことさ。レースコースは僕が5歳とか6歳の時にバスで通学したのと同じ道なんだ。なんだか変な感じだよね。でも、そんな場所をF1マシンで走るのは最高に特別な気分だ」
「人生で初めてモナコGPを見たのは、、多分4歳くらいの時だったと思う。結構鮮明に覚えてるんだけど、僕はあの時友達のアパートに遊びに行っていて、車のオモチャで遊んでたんだ。そして横目で同時にグランプリを見ていた。赤いマシンが異様に速くてね。たぶんマイケルがフェラーリをドライブしてたんじゃないかな。ホント楽しかったな」
ルクレールは今季第2戦バーレーンGPでポールポジションを獲得し、決勝でもレースを支配。トップチェッカー目前であったものの、最終盤にエンジントラブルに見舞われ3位に終わった。5戦を終えて4回が5位入賞と、煮え切らない結果が続いているが、母国での初優勝はどの程度期待出来るのだろうか?
「バルセロナテストの結果、僕らは幾つかの学びを得て一歩前進できたと思っている」とルクレール。「だけど、メルセデスと同じレベルに立つには十分とは言えない。幾らかギャップを縮められたとは思ってるけど、残念ながらそれだけじゃ不十分だ。僕らは開発を続けなきゃならないし、何が一番の課題なのかを理解しなきゃならない。でもエンジニアがそれに取り組んでくれている」
第66回F1モナコGPは、日本時間2019年5月23日木曜18時からのフリー走行1で幕を開ける。