2023年F1モナコGP FP1レポート:サインツ、最速発進で会長にアピール!四つ巴予感の混戦模様…アプグレ角田裕毅は上々
エミリア・ロマーニャGPの中止を経て、シーズン7戦目となる2023年F1世界選手権モナコGPが5月26日に開幕を迎え、カルロス・サインツ(フェラーリ)が1分32秒372を記録。金曜1回目のフリー走行でトップに立った。角田裕毅(アルファタウリ)は13番手という結果だった。
モンテカルロ市街地コースは晴天に恵まれ、日本時間20時30分からのオープニングセッションは気温26℃、路面温度47℃のドライコンディションでスタートした。セッションは2度に渡って赤旗により中断された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。8・14番手のアルピーヌ勢と20番手最下位ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の3台はハードのみで走行。他はこれにミディアムを加えて周回を重ねた。
サインツは序盤にプールサイドのウォールに接触するも、クルマにダメージはなく、フェラーリ会長ジョン・エルカーンがガレージで見守る中、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)にコンマ3秒差をつけて20台のトップに立った。
3番手にはルイス・ハミルトンが続いた。苦悩するメルセデスは遂に”ゼロポッド”を捨て去り、RB19風の新型フロント・サスペンションを含む大型アップグレードによってマシンの外観は大きく変化した。
側面衝撃構造との兼ね合いや予算制限もあり、エンジニアが目指す理想が突き詰められたわけではなく、その意味ではレッドブルともアストンマーチンとも異なる妥協の産物ではあるものの、”W14Bスペック”は今後に向けて期待させるパフォーマンスを示した。
チャンピオンシップを独走するレッドブル勢はトップ3圏外に留まった。
昨年のモナコウィナー、セルジオ・ペレスはサインツからコンマ7秒落ちの4番手につけたが、ポイントリーダーのマックス・フェルスタッペンはガレージから出る際にクラッチに問題があると報告し、コースに出た後はバウンシングと高速域でのドライバビリティに文句をつけるなど、後手に回る展開でスタート。シャルル・ルクレール(フェラーリ)に前を許す6番手でクルマを降りた。
モンテカルロは車体性能の差が表れにくく、ドライバーの力量がモノを言う。アロンソを含む野心的なドライバー達が今季最大のチャンスを傍観するわけもなく、FP1の結果だけでは先を見通す事はできないものの、レースリザルトに決定的な影響を与えるモナコGPの予選はトップ4によるエキサイティングな争いが期待される。
アルファタウリは待望の新型フロアに加えて、ディフューザーやサイドポッド・インレット、エンジンカバーにアップデートを投入。角田裕毅は昨年までのチームメイト、ピエール・ガスリーを後方に従える13番手タイムをマークした。僚友ニック・デ・フリースはコンマ25秒遅れの16番手に続いた。
トリプルクラウン仕様のMCL60を持ち込んだマクラーレンはランド・ノリスが7番手とトップ10につけた一方、オスカー・ピアストリは17番手とあまり目立たなかった。
ウィリアムズの2台は共にトラブルに見舞われた。残り20分を前にローガン・サージェントは駆動に何らかのトラブルを抱えたようでスロー走行を余儀なくされ、アレックス・アルボンは最終盤にターン1でバリアに激突。車体左側を大破し、セッションは赤旗終了を迎えた。
🚩 RED FLAG 🚩
Alex Albon has crashed out of Sainte Devote. He reports he is okay over the radio
The session will not be resumed#MonacoGP #F1 pic.twitter.com/fauEr8qv2q
— Formula 1 (@F1) May 26, 2023
30分を過ぎたところでは、ヒュルケンベルグがヌーベル・シケインに進入する際にバリアに衝突してスピン。コースに飛び散ったホイールの残骸の回収とバリアの点検ために、レースコントロールは赤旗を提示した。
🚩 RED FLAG 🚩
Hulkenberg has had a moment down at the Nouvelle Chicane
Contact with the barriers has pushed one of his tyres off the wheel rim #MonacoGP #F1 pic.twitter.com/bUjwQkdL22
— Formula 1 (@F1) May 26, 2023
2回目のフリー走行は日本時間5月26日(金)24時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2023年F1第7戦モナコGPフリー走行1(FP1)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:13.372 | 26 | |
2 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:13.710 | +0.338 | 28 |
3 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:14.035 | +0.663 | 27 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:14.038 | +0.666 | 27 |
5 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:14.093 | +0.721 | 24 |
6 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:14.244 | +0.872 | 26 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:14.467 | +1.095 | 25 |
8 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:14.585 | +1.213 | 29 |
9 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:14.653 | +1.281 | 28 |
10 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:14.666 | +1.294 | 32 |
11 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:14.718 | +1.346 | 29 |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:14.725 | +1.353 | 29 |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:14.820 | +1.448 | 29 |
14 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:14.866 | +1.494 | 30 |
15 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:15.066 | +1.694 | 24 |
16 | 21 | デ・フリース | アルファタウリ | 1:15.083 | +1.711 | 33 |
17 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:15.192 | +1.820 | 32 |
18 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 1:15.557 | +2.185 | 30 |
19 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:15.684 | +2.312 | 25 |
20 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:15.785 | +2.413 | 17 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 26℃ |
路面温度 | 47℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1モナコGP |
---|---|
セッション種別 | フリー走行1 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | モンテカルロ市街地コース |
---|---|
設立 | 1929年 |
全長 | 3340m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |