モンテカルロ市街地コースの最終1つ前のラスカス(ターン18)、2023年5月26日F1モナコGP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年F1モナコGP FP1レポート:サインツ、最速発進で会長にアピール!四つ巴予感の混戦模様…アプグレ角田裕毅は上々

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エミリア・ロマーニャGPの中止を経て、シーズン7戦目となる2023年F1世界選手権モナコGPが5月26日に開幕を迎え、カルロス・サインツ(フェラーリ)が1分32秒372を記録。金曜1回目のフリー走行でトップに立った。角田裕毅(アルファタウリ)は13番手という結果だった。

モンテカルロ市街地コースは晴天に恵まれ、日本時間20時30分からのオープニングセッションは気温26℃、路面温度47℃のドライコンディションでスタートした。セッションは2度に渡って赤旗により中断された。

モンテカルロ市街地コースのパドックを歩くカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年5月25日F1モナコGPCourtesy Of Ferrari S.p.A.

モンテカルロ市街地コースのパドックを歩くカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年5月25日F1モナコGP

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。8・14番手のアルピーヌ勢と20番手最下位ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の3台はハードのみで走行。他はこれにミディアムを加えて周回を重ねた。

サインツは序盤にプールサイドのウォールに接触するも、クルマにダメージはなく、フェラーリ会長ジョン・エルカーンがガレージで見守る中、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)にコンマ3秒差をつけて20台のトップに立った。

3番手にはルイス・ハミルトンが続いた。苦悩するメルセデスは遂に”ゼロポッド”を捨て去り、RB19風の新型フロント・サスペンションを含む大型アップグレードによってマシンの外観は大きく変化した。

側面衝撃構造との兼ね合いや予算制限もあり、エンジニアが目指す理想が突き詰められたわけではなく、その意味ではレッドブルともアストンマーチンとも異なる妥協の産物ではあるものの、”W14Bスペック”は今後に向けて期待させるパフォーマンスを示した。

メルセデスW14Bスペックのサイドポッド、フロア周りのディティール、2023年5月25日F1モナコGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

メルセデスW14Bスペックのサイドポッド、フロア周りのディティール、2023年5月25日F1モナコGP

ガレージ内に置かれたメルセデスW14Bスペック、2023年5月25日F1モナコGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ガレージ内に置かれたメルセデスW14Bスペック、2023年5月25日F1モナコGP

チャンピオンシップを独走するレッドブル勢はトップ3圏外に留まった。

昨年のモナコウィナー、セルジオ・ペレスはサインツからコンマ7秒落ちの4番手につけたが、ポイントリーダーのマックス・フェルスタッペンはガレージから出る際にクラッチに問題があると報告し、コースに出た後はバウンシングと高速域でのドライバビリティに文句をつけるなど、後手に回る展開でスタート。シャルル・ルクレール(フェラーリ)に前を許す6番手でクルマを降りた。

壁スレスレの所を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年5月26日F1モナコGP FP1Courtesy Of Red Bull Content Pool

壁スレスレの所を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年5月26日F1モナコGP FP1

モンテカルロは車体性能の差が表れにくく、ドライバーの力量がモノを言う。アロンソを含む野心的なドライバー達が今季最大のチャンスを傍観するわけもなく、FP1の結果だけでは先を見通す事はできないものの、レースリザルトに決定的な影響を与えるモナコGPの予選はトップ4によるエキサイティングな争いが期待される。

アルファタウリは待望の新型フロアに加えて、ディフューザーやサイドポッド・インレット、エンジンカバーにアップデートを投入。角田裕毅は昨年までのチームメイト、ピエール・ガスリーを後方に従える13番手タイムをマークした。僚友ニック・デ・フリースはコンマ25秒遅れの16番手に続いた。

トリプルクラウン仕様のMCL60を持ち込んだマクラーレンはランド・ノリスが7番手とトップ10につけた一方、オスカー・ピアストリは17番手とあまり目立たなかった。

ウィリアムズの2台は共にトラブルに見舞われた。残り20分を前にローガン・サージェントは駆動に何らかのトラブルを抱えたようでスロー走行を余儀なくされ、アレックス・アルボンは最終盤にターン1でバリアに激突。車体左側を大破し、セッションは赤旗終了を迎えた。

30分を過ぎたところでは、ヒュルケンベルグがヌーベル・シケインに進入する際にバリアに衝突してスピン。コースに飛び散ったホイールの残骸の回収とバリアの点検ために、レースコントロールは赤旗を提示した。

2回目のフリー走行は日本時間5月26日(金)24時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2023年F1第7戦モナコGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:13.372 26
2 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:13.710 +0.338 28
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:14.035 +0.663 27
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:14.038 +0.666 27
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:14.093 +0.721 24
6 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:14.244 +0.872 26
7 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:14.467 +1.095 25
8 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:14.585 +1.213 29
9 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:14.653 +1.281 28
10 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:14.666 +1.294 32
11 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:14.718 +1.346 29
12 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:14.725 +1.353 29
13 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 1:14.820 +1.448 29
14 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:14.866 +1.494 30
15 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:15.066 +1.694 24
16 21 ニック・デ・フリース アルファタウリ・ホンダRBPT 1:15.083 +1.711 33
17 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:15.192 +1.820 32
18 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:15.557 +2.185 30
19 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:15.684 +2.312 25
20 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:15.785 +2.413 17

コンディション

天気晴れ
気温26℃
路面温度47℃

セッション概要

グランプリ名 F1モナコGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 モンテカルロ市街地コース
設立 1929年
全長 3340m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1モナコGP特集