ミック・シューマッハのF1デビューは2021年?「有力候補」とフェラーリ
スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表は、ミック・シューマッハが次期F1デビューの「有力候補」だと考えており、早ければ2021年シーズンに「シューマッハ」の名がF1に復活する可能性がある。
7度のワールドチャンピオンを獲得した”皇帝”ミハエル・シューマッハの実子ミックは、2019年にFIA-F2選手権でデビューを飾り、8月のハンガロリンクで初勝利を獲得。ランキング12位で初年度を締め括った。
リザルトとして取り立てて特筆すべき点はないものの、ビノット代表は英Autosportとのインタビューの中で次のように語り、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員であるミック・シューマッハが、将来的にF1のシートを手にすることは間違いないとの認識を示した。
「(今年のF2の)ランキングではベテランドライバーが上位を占める結果となったが、彼が経験を積むには良いシーズンだったと思う。ルーキーという点を考慮すれば、彼は上手くやっていた。そのため、彼がどれだけ上達しているかを理解するには、来シーズンが鍵になる」
「既に1シーズンを過ごした経験があるわけで、来年には大いに期待しているし、我々は彼が将来的にF1の有力候補になると確信している」
高い期待を寄せるビノット代表だが、現時点においてフェラーリの候補者リストにミック・シューマッハの名前はないと断言。その理由の1つとして、2021年シーズンは全く新しいレギュレーションが施行されるため「ドライバーの経験が重要」であり、「FDAの若手には時期尚早」だと説明した。
ミック・シューマッハがデビューを飾る可能性が最も高いのはアルファロメオだ。アルファロメオはフェラーリと同じくフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下に属しており、2018年よりスイス・ヒンウィルのチームのタイトルスポンサーを務めている。
ミック・シューマッハは今年のF1バーレーンテストにフェラーリとアルファロメオから参加しており、初日にフェラーリSF90をドライブして総合2番手タイムを記録し、2日目はアルファロメオC38を走らせ6番手タイムを記録した。報道によると、アルファロメオは2020年のレギュラードライバーとしてミック・シューマッハを評価していたようだが、最終的にアントニオ・ジョビナッツィが契約を更新した。
アルファロメオは2020年末を以てキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィ双方の契約が満了を迎えるため、2021年シーズンのドライバーラインアップは白紙状態となっている。
FIA-F2選手権は2020年シーズンよりピレリ製18インチタイヤを導入するため、F1直下のカテゴリーで昇格を目指す若手ドライバー達は、F1よりも一年早くロープロファイルタイヤの経験を積むことが出来る。レギュレーションの抜本的変更によりマシンとタイヤが一新される2021年シーズンは、ミック・シューマッハのようなF2ドライバーにとって、ステップアップのチャンスとなり得る。