セバスチャン・ベッテル「一時的な後退はチームが成長する上で必要な事だった」
スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、2018年FIA F1世界選手権第19戦メキシコGPに先立って抱負を語った。
ベッテルは昨年のメキシコGPのオープニングラップでルイス・ハミルトンと接触。予定外のピットインによって隊列後方からの巻き返しを強いられた。怒涛の追い上げを見せるも4位にカムバックするのが精一杯。ハミルトン4度目のタイトルを許す結果に終わった。
フェラーリは母国イタリアGP以降、急速に競争力を失い、ベッテルはイタリアから日本までの4戦連続で宿敵ルイス・ハミルトンに優勝をさらわれる事となった。低迷の原因の一つはシンガポールGPで投入された新型のフロアを含む新しいエアロパッケージ。チームはこの仮設を検証するために、メキシコGPのフリー走行で新旧のエアロを走らせ、直接比較する計画を立てている。
暫定的に旧型のパッケージに戻して望んだオースティンでのレースでは、チームメイトのキミ・ライコネンが113戦ぶりの勝利を飾り、メルセデスと張り合えるだけのパフォーマンスを取り戻した。シーズン後半戦の失速によって、ベッテルは自力でのタイトル獲得の望みが絶たれてしまったものの「一時的な後退はチームが成長する上で必要な事だった」との認識を示し、自身を奮い立たせようとしている。
一時的な後退はチームが成長する上で必要な事だった
セバスチャン・ベッテル
メキシコGPに向けて良い形ができてると思う。この前のアメリカGPで僕らフェラーリは優勝してるしね。厳しいレースが続いていただけに、あの勝利はチームにとって凄く重要だった。おかげでチーム内のムードは良い感じだよ。僕らは進歩を遂げ前進している。そう、良い流れを掴み始めてるんだ。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットはかなり珍しいタイプのトラックだね。ここは標高が高いから空気が薄いんだ。これに対する対策はすごくシンプルだよ。誰もが皆、できるだけ多くのダウンフォースをマシンにつけようとする。
今年の僕らは去年と比べてストレートでの競争力が高まっているから、今回も最速のチームになれると良いな。僕らはいつだってレースに勝つ事を目標にしてる。チャンピオンシップ争いに留まるために何をしなきゃならないかは分かってるけど、僕らの努力だけではどうにもならない状況になってしまった。
先を見据えなきゃならない時期に来てるんだと思う。ここ最近のレースで低迷していた原因が分かってきたのは前向きな要素だよ。これは、後退したからこそ理解する事ができたんだ。必要な事だったんだと思う。でも、これからは前進し続けなきゃならない。ここ2・3日は色々考える事ができて、物事がちょっとクリアになった。その意味ですごく重要な数日間だった。
舞台となるのは、1周4304m、全16コーナーからなるエルマノス・ロドリゲス・サーキット。ドライコンディションとなった昨年のグランプリでは、マックス・フェルスタッペン(Red Bull)が優勝。2位にバルテリ・ボッタス(Mercedes)、3位にキミ・ライコネン(Ferrari)という結果だった。
F1メキシコGPは、日本時間2018年10月27日(土)0時からのフリー走行1で幕を開ける。