衝撃のターン1、前に留まってもフェルスタッペンの勝利は揺るがなかったとメルセデス「レッドブルのペースは別次元だった」
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メルセデスのトト・ウォルフ代表は11月7日(日)に行われたF1第18戦メキシコGP決勝を終えて、仮に1周目のターン1で首位を守ったとしても、ルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンを抑えて優勝する事は不可能だったとの考えを示した。
上位3台はスタート直後のストレートで時速340kmのスリーワイド戦を繰り広げた。その中でフェルスタッペンは、ポールシッターのバルテリ・ボッタスのトウを使ってアウト側からコーナーにアプローチし、一瞬だけブレーキングを遅らせる事でメルセデスの2台を交わしてトップに立った。
ボッタスは戦線離脱を強いられ、ハミルトンはその後、ラップリーダーを追ったものの、一度もその地位を脅かす事は出来ず、逆に後続のセルジオ・ペレスに対して防戦一方の展開となった。
結果、フェルスタッペンが逆転の今季9勝目を飾り、ハミルトンはダメージリミテーションの2位でフィニッシュした。両者のポイント差は19点にまで拡大し、コンストラクターズ選手権争いでメルセデスはレッドブル・ホンダに1点差にまで迫られた。
トト・ウォルフはSky Sportsとのインタビューの中で「レッドブルのペースは別次元だった。祝福せねばなるまい」と語った。
「仮に第1コーナーで前に留まっていたとしても、レースに勝つことはできなかったと思う。(レッドブルは)ピットストップを活用出来たはずだからね」
「最終的にルイスにとってはチャンピオンシップ争いでのダメージを最小限に抑える事が出来たが、コンストラクター争いとしてはバルテリがターン1でスピンした事が本当に痛手だった」
メルセデスは1発の速さを競う予選でフロントロー独占という、ハミルトンをして「衝撃」の結果を手にしたものの、トト・ウォルフは決勝レースでレッドブル・ホンダが見せつけたペースは初日と同じものだったと指摘した。
「予選に関しては彼ら(レッドブル)がしくじったのか、それとも我々のペースが上向きだったのかは分からないが、これは我々が金曜日の時点で目にしていたペースだった」
「期待していたよりも悪い結果になってしまったが、受け止めるしかない」
1周目のターン1でボッタスとハミルトンは横並びになって後続のフェルスタッペンの前を塞いだが不十分で、結果的にアウト側に回り込ませるスキを作る事となった。
トト・ウォルフは「あれはあってはならない事だった」と振り返った。
「我々は先頭に2台のクルマを持っていたものの、マックスをアウト側に回り込ませるための道を開いてしまったように見える」
「3位あるいは4位を獲得できた可能性があったのに、その後にスピンしてしまったのは控えめに言っても腹立たしい」
「全体的に今日は忘れ去るべき1日になってしまった」
11月7日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた2021年F1第18戦メキシコグランプリ決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が通算19勝目を上げて優勝。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)。3位表彰台には母国の英雄、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が滑り込んだ。
インテルラゴス・サーキットを舞台とする次戦サンパウロGPは11月12日のフリー走行1で幕を開ける。