ルイス・ハミルトン、物議ボッタスのライン取りとペレスへの発言について釈明
メルセデスのルイス・ハミルトンは決勝レースを終えて、チームメイトのバルテリ・ボッタスとレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスに対するF1メキシコGP後の自身の発言について釈明した。
エルマノス・ロドリゲスでの71周のハイライトの一つはオープニングラップのターン1だった。ハミルトンとボッタスは第1コーナーに向けて横並びとなり後続のマックス・フェルスタッペンをブロックしようとしたが、アウト側のスペースに飛び込まれてしまい逆転優勝を許した。
ボッタスは「ドアを開けたままにしていた」
ターン1での出来事についてメルセデスのトト・ウォルフ代表は「あれはあってはならない事だった」と答えた。ハミルトンも同様にボッタスの動きについて不満を口にした。
レース後FIA会見の中でスリーワイドでのターン1への進入について振り返るよう求められたハミルトンは「僕としては…あれは想定していなかった。バルテリがもっと良い形でスタートを切っていれば、彼のトウを掴みに行ったと思う」と語った。
「でも実際には、僕は彼と横並びになった。それはそれで良かった。その後はただ自分のイン側をカバーするだけだった。誰にも飛び込ませないようにね。僕はミラーに映るレッドブルを抑え込もうと頑張った」
「バルテリも同じようにやるだろうと思っていたけど、彼はマックスのためにドアを開けたままにしていた。その結果マックスはレーシングラインを走り、ターン1へのブレーキングで最高の仕事をしてみせた」
「僕に出来る事は何もなかった。ダーティーなイン側にいたわけだからね」
メルセデスに個人批判の文化なし、とハミルトン
これらのコメントはチームメイト批判とも受け取られたが、ハミルトンはInstagramを通してボッタスに対する発言を釈明した。
ハミルトンはボッタスの動きに問題があったとの見方を撤回したわけではないが、メルセデスには個人を批判する文化はなく、ミスや改善点は全員の責任だと言う哲学に立った上でのコメントだったと説明した。
「昨日、僕はVB(ボッタス)がドアを開けっ放しにしていたと言った。当然、人々は批判に飛びつくだろう」
「僕らは一つのチームであり、勝つも負けるも、それはチームとしての事なんだ。勝ち負けの責任を負うのは一人の人間ではない。良くも悪くも僕らチームとしての結果だ」
「僕らを打ち負かすことが出来たとしても、分断する事はできないだろう」
「バルテリ、次のレースに向けて一緒に頑張ろうぜ!」
ペレス軽視と受け止められた「速い」発言
なお、一部にはボッタスだけでなくペレスに対する発言にも注目が集まったようだ。それは
レース後にSky Sportsのインタビューに応えた際の以下のコメントだ。
「今日の彼らのペースは兎に角、信じられないほどだった。対抗する術はなかった。チェコ(ペレス)が背後に付いてきたんだから、彼らのクルマが速いって事がよく分かる」
この発言が何故注目を集めたのか計り兼ねたが、どうやらフェルスタッペンではなくペレスでさえ付いてこれてしまう位にレッドブル・ホンダのマシンが速かったとの発言だと理解する向きがあったようだ。
要はペレスは遅いとする軽視だと受け止められたわけだが、ハミルトンはInstagramを通して「僕はペレスを本当に尊敬している」とのメッセージを発した。
「彼は新しいチームで素晴らしい仕事をしていると思う。シーズンを通して相当に改善してきているしね。新しいチームで成長する事が如何に難しいかを僕は知っている。それには時間がかかるものなんだ」
「僕が言いたかったのは単に、メキシコでは低ドラッグの影響で前のマシンについていくのが最高に難しいって事なんだ。だからここではオーバーテイクが少ない」
「それでも彼は、これほどまでに付いてきた。彼らのマシンに如何に多くのダウンフォースがあったのかって事がよく分かる。チェコのクリーンな走りは称賛すべきものだった」