見下した、耳を貸さない、反省しない…4ヶ月を経て未だにマイケル・マシ非難を続けるメルセデスF1代表ウォルフ
物議のF1アブダビGPから4ヶ月が経ち、ファンの関心事は完全に新しいシーズンに切り替わっているように見えるものの、メルセデスのトト・ウォルフ代表は未だに怒りが収まらないのか、ドライバーを見下していた等として元F1レースディレクターのマイケル・マシへの批判を続けている。
最終戦の最終ラップまでもつれた昨年のタイトル争いは、セーフティーカー(SC)解除を巡るマシの判断がその行方を決定づける一因となった。マックス・フェルスタッペンはSC開けのラスト1周でルイス・ハミルトンを抜き去り、劇的な戴冠を飾った。
FIAは「誠実に行動した」としながらもマシをその役割から解任し、今季はニールス・ヴィティヒとエドアルド・フレイタスの2名を後任として任命した。また、ウォルフとレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表がレース中にマシに圧力を掛けた事を問題視して、直接の無線コミュニケーションを禁止するなど幅広い改革を行った。
アブダビに関する報告書が公開された事を受けウォルフは、2022年の開幕バーレーンGPを前に「調査報告が発表された後にアブダビについての議論を続けることは誰の利益にもならないし、私たちの利益にもならない」として「我々はページをめくる必要がある。もう終わったことだ」と述べ、これ以上、この件に関して口を開くつもりはないと主張していた。
だがSky Sportsによるとウォルフは、PA Mediaとのインタビューの中でマシについて次のように述べ、他人の意見や批判に耳を傾けず、ドライバーを見下すような人間だ等として、ほじくり返した。
「何人かのドライバーからの話では、ドライバーズ・ブリーフィングにおける彼のドライバーに対する態度は殆ど見下したようなものだったそうだ」
「どんなフィードバックにも耳を貸さず、今でさえ間違った事をしたのだと言う事をきちんと反省していない」
「誰もがアブダビ、そしてレースディレクターの話題を口にし続けていたのだから、彼にはこのスポーツに対して責任があったわけだ。レースディレクターという仕事は人々が話題にするような存在ではなく、レギュレーションに従ってレースを確実に運営する存在であるべきだ」
ウォルフはまた、アブダビGPの初日前々日の昼にランチを共にした事を明かし、マシに対して次のように言ったという。
「上から目線で偉ぶらずに、どうか聞いて欲しい。君は批判を受け止めた上で、そこから成長しなければならない。ルイスはそれを毎日やっているが、君はあたかもよく知ったかのような素振りを見せてばかりだ」
なおレースディレクターの解任劇についてフェルスタッペンは、マシは「スケープゴートにされてしまった」等として国際自動車連盟(FIA)を批判。ホーナーもまた、マシを解任せよとの外部からの「非常に大きなプレッシャー」があった等と指摘し、その決定を疑問視している。