アルファロメオF1のストラテジー・エンジニアを務めるルース・ブスコムビーとFIAレースディレクターを務めるマイケル・マシ、2020年10月22日F1ポルトガルGPの舞台アルガルベ・サーキットにて
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

マイケル・マシ、F1レースディレクター退任…FIA、遠隔サポート導入を含めたレース監督体制改革を発表

  • Published: Updated:

マイケル・マシがF1レースディレクターを退任する事が決まった。同職は今後、ニールス・ウィティヒとエドゥアルド・フレイタスの2名交代制となり、ハービー・ブラッシュが常任上級顧問としてこれを補佐する体制を採る。

FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は2月14日(月)にロンドンで開催されたF1コミッションにおいて、物議を醸した昨年のアブダビGPの詳細調査を得て、レース監督体制を「徹底改革」する事を提案。F1のステファノ・ドメニカリCEOや各チーム代表らは満場一致でこれを支持した。

まず、故チャーリー・ホワイティングの後任として3年間に渡ってF1レースディレクターを務めたマシは同職を退任し、FIA内で新たなポジションに就く。WECのレースディレクター経験を持つウィティヒと、元DTMのフレイタスは来週のバルセロナテストより、マシに代わって交互にレースディレクターを務める。

また、レースディレクターの意思決定を支援するために「バーチャル・レース・コントロール・ルーム」がFIAオフィスの一角に設置される。これはサッカーのVAR(ビデオ・アシスタンス・レフェリー)のようなもので、最新の技術ツールを通してレースディレクターをサポートする。

更に外部からのプレッシャーを排除して公平な意思決定を確保すべく、チームがレース中にレースディレクターと直接無線でコミュニケーションを取る事は禁止される。質問する事は可能だが、それは間接的な形で実現されるようだ。

なおセーフティーカーの解除に際しての周回遅れの扱い・手順の件に関しては、F1スポーツ諮問委員会によって再評価され、シーズン開幕前に行われる次回のF1コミッションで提案が行われる予定だ。