メルセデスF1、FE王者ニック・デ・フリース放出の可能性認める
F1フランスGPの金曜フリー走行でルイス・ハミルトンに代わりW13のステアリングを握ったニック・デ・フリースについてメルセデスのトト・ウォルフ代表は、契約を打ち切り放出する可能性を認めた。
27歳のオランダ人ドライバーは2019年にFIA-F2選手権を制し、昨年はメルセデスと共にフォーミュラE世界選手権チャンピオンに輝いた。今季もフォーミュラEに参戦する傍ら、メルセデスのF1リザーブドライバーを務めている。
5月のスペインGPでのウィリアムズ・メルセデスFW44のドライブに続き、今年2回目のF1プラクティスに臨んだデ・フリースは、同じマシンを駆るジョージ・ラッセルから0.545秒遅れの9番手と上々のタイムを記録した。
初日フリー走行を経てウォルフは「本当に、本当に良かった。ルイスはニックのコーチ役を引き受け手を貸していたし、見ていて本当に興味深かった」と語る一方、F1シートを提供できる状況にない以上、デ・フリースを契約から解放する必要性を認めた。
「彼に対して興味深いF1プロジェクトを提供できないのであれば、ある意味我々は彼を手放さなければならないと思っている」
「彼はスポーツカーやフォーミュラEなど、様々な選択肢を考えている。とは言え、いつの日か、F1のドアが開く可能性があることを決して諦めてはならない」
「如何なるチームに対してであれ、我々は彼の起用を検討するよう話をする事はできない。なぜなら、それは他チームにとって干渉されているように感じられ得るものだからね」
メルセデスは現在、ワークスチームを含めて10チーム中4チームにF1パワーユニットを供給しているが、マクラーレンやアストンマーチンは独立的立場を誇示しており、ウィリアムズはニコラス・ラティフィのシートが危ぶまれているものの、デ・フリースと同じF2王者のオスカー・ピアストリの名が取り沙汰されている。
また、メルセデスのフォーミュラEチームは今シーズンを以てマクラーレンに売却される。マクラーレンは独自にドライバーを準備しており、デ・フリースの将来は不透明なままだ。