ピットロードに停車する黒塗りのメルセデスF1マシン「W11」、2020年F1オーストリアGPにて
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メルセデスF1、ホンダ同様に開幕オーストリアに改良型エンジンを投入

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メルセデスAMGはレッドブル・リンクで開催される今週末のF1開幕オーストリアGPに、信頼性を向上させたアップグレードエンジンを投入する。ワークスはもちろん、カスタマーのレーシングポイントとウィリアムズも最新スペックを使用する。

メルセデスはバルセロナテストで印象的なパフォーマンスを残したが、これと同時にパワーユニットの信頼性不足が白日の下に晒された。英国ブリックスワースのファクトリーでは問題解決のため開発が進められ、調整を加えた新しい仕様がシュピールベルクに持ち込まれる。

プレシーズンテストでは8日間の走行で計3基のエンジンの使用を強いられた。電気的な問題から油圧異常によるシャットダウン、MGU-Kそのものに至るまで多くの課題が露呈した。今回の改良は主に信頼性の改善に重きを置いたもののようだ。

テクニカルレギュレーションの規定により、今季はシーズンを通しての開発がほぼ凍結される。開幕戦で使用したスペックを残りのシーズンでも継続する必要があるため、オーストリアに投じられるスペックは従来とは異なる重要な意味を持つ。

信頼性の改善を目的とするもので、かつ国際自動車連盟(FIA)からの承認を得た場合を除き、MGU-K、ES(エナジーストア)、CE(コントロールエレクトロニクス)に関する性能アップグレードは1度に制限されている。

フェラーリからは特に具体的な話は流れてこないが、レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリにPU一式を供給するホンダは、デザインやコンセプトを引き継ぎつつ、信頼性やパフォーマンスを僅かに改善させたアップグレードを持ち込む事を明らかにしている。

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