メルセデスF1チームのステアリングホイール、2018年F1アゼルバイジャンGPにて
Courtesy Of Daimler AG

ブレーキマジック誤操作問題…メルセデス、F1フランスGPでの抜本的再発防止叶わず

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メルセデスAMGペトロナスF1チームは前戦アゼルバイジャンGPでのルイス・ハミルトンのオーバーランを受け、第7戦フランスGPに簡易的な対策を持ち込んだ。

ブレーキバイアスの設定を含む一連のプリセットを操作するための仕組み、通称”ブレーキ・マジック”が誤って操作されてしまった事で、ハミルトンは前戦アゼルバイジャンGPの最終盤に優勝争いから一気に最後尾にまで転落した。

本来であれば抜本的な解決が求められるところだが、2週間を経てメルセデスがポール・リカール・サーキットに持ち込んだのは、ステアリングホイール背後に設置されている”マジックボタン”をカバーで覆うという短期的なソリューションだった。

ハミルトンはフランスGPの木曜プレスカンファレンスの中で、ステアリングホイール自体の変更は「容易ではない」ため、まずはカバーを設置した上で、今後「長期的な解決策」を模索していく考えを明らかにした。

7度のF1ワールドチャンピオンとしては珍しいミスであっただけに、マックス・フェルスタッペンとの僅差のタイトル争いによる重圧がミスに繋がったのではとの見方もあるが、ハミルトンは次のように述べ、こうした指摘を退けた。

「既にマックスはレースをリタイヤしてたわけだから、彼からのプレッシャーが原因ではないことは間違いない」

「プレッシャーは感じていないし、十分リラックスしているけど、常に完璧を演じる事はできない」

「ミスというのは、ブレーキングポイントを外したり、壁にぶつかったりしてコースアウトすることであって、あれはミスではなかった」

「あれは凡ミスといった類のもので、いつ起きてもおかしくないような状況だった」

ハミルトンはプレッシャーの影響を否定するが、リスタートの際のポジションを維持してさえいえれば、ノーポイントに終わったフェルスタッペンに対して18点を重ねる事となり、チャンピオンシップでの首位を余裕で奪還していた計算となる。

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