メルセデス、バーレーンGP予選完敗の一因はパワーユニット回生「ホンダは見事な仕事をやってのけた」
メルセデスのトト・ウォルフ代表は、パワーユニットのエネルギー回生システム(ERS)という点でホンダに劣っている事を認め、それが2021年シーズンの初戦、F1バーレーンGP予選での敗北の一因との認識を示した。
3月27日にバーレーン・インターナショナル・サーキット(BIC)で行われた今季一発目のグリッド争いでは、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンにコンマ4秒もの大差を付けてポールポジションを獲得する結果となった。
BICはエンジンパワーがラップタイムに与える影響が大きい事で知られる。ERSはICE(内燃エンジン)によるパワーを後押しするもので、これが早々に枯渇してしまうとストレートでタイムを失う事になる。
今季もローレーキ哲学を貫くチャンピオンチームは、テクニカル・レギュレーションの変更によって失われたリアのダウンフォースを取り戻すべく死力を尽くしているが、予選での完敗は車体のみが原因ではないと考えている。
トト・ウォルフは予選を終えて「ディレートという点で、我々はエンジン側で若干失っているものがある」と述べ、ホンダよりも早く回生エネルギーが尽きてしまう事が敗北の一因になったとの考えを示した。
「大きな要因と言えるようなものは一つもないが、エネルギー回生に関してはまだ満足できる状態には達していない」
ホンダは今年、2022年に一旦先送りした新型パワーユニットを前倒しで導入した。これは特にICEの改良に重点を置いたものだが、タービンやERSにも変更が加えられている。
「驚いたかって? いや全く驚いてはいない」とトト・ウォルフは続ける。
「ホンダは非常に誇り高い会社だと思っているし、ワークスチームとしての最終年に優れたパワーユニットを作り上げるため、全てを投じてくるだろうと確信していたからね」
「彼らは自分達の仕事をきちんと終わらせるために、あらゆる手を尽くし、あらゆるリソースを活用した。我々のモチベーションを掻き立ててくれる。彼らの事を思うと私も嬉しい」
「彼らは本当に見事な仕事をしたと言わざるを得ない。アルファタウリのポジションを見てもそれは明らかだ。非常に競争力の高いパワーユニットを作り上げた。我々はスポーツマンとして、その事実を受け入れるしかない」