マクラーレン優位もフェラーリに微かな希望…F1タイトル争い最終局面カタールの勘どころ
フェラーリは現在、コンストラクターズタイトル争いにおいて不利な立場に立たされている。だが、F1カタールGP予選終了後の状況は、スプリント終了時と比べていくらか希望が見える展開となっている。
スプリント終了時点では、マクラーレンが週末を完全に支配し、最終戦を残してタイトルを確定させる可能性が高いと見られていた。だが予選を経て、わずかながらもフェラーリに巻き返しのチャンスが生まれた。
フェラーリは当初から、カタールでのマクラーレンとの戦いが厳しいものになると予想していた。ロサイル・インターナショナル・サーキットの高速レイアウトがMCL38の車両特性に有利に働くことは明白であり、スプリントでの1-2フィニッシュはその懸念を裏付ける結果となった。
予選でもマクラーレンの速さは健在だったが、フェラーリに助け船が訪れた。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とジョージ・ラッセル(メルセデス)が最前列を獲得したため、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは2列目に留まった。
フェラーリ勢は3列目に並ぶ。このままグリッド順通りにレースが終われば、コンストラクターズタイトルの行方はアブダビでの最終戦へ持ち越されることになる。
5番グリッドを確保したシャルル・ルクレールは、SF-24が予想以上にマクラーレンのパフォーマンスに肉薄した点に希望を見出し、決勝での直接対決に期待を寄せるとともに、第三の勢力がタイトル争いの行方に影響を与える可能性を指摘した。
ロサイル・インターナショナル・サーキットは追い抜きが難しいことで知られており、良いスタートを切ることが前進のための重要な鍵となるが、レッドブルとメルセデスが最前列を占拠したことは、実際にはフェラーリの追い風になるかもしれない。
「それは見方にもよるけどね」とルクレールは語った。
「もし明日、スタートで(マクラーレンを)追い抜ければ、前の2台(フェルスタッペンとラッセル)がいない方がいい。でも、スタートで僕らがその場に留まるなら、彼らが1位と2位をキープしてくれる方がありがたい」
メルセデスとレッドブルに前方を塞がれ、フェラーリに背後を取られる状況となれば、マクラーレンが逆転を許す展開は十分にあり得る。
ノリスは、カタールGPで最速のマシンはマクラーレンではないとの見解を示し、決勝レースが厳しい戦いになるとの見方を示した。
「今日のスプリントでは、クリーンエアーの中にいたから、実際より速く見えたかもしれないけど、正直、今週末はメルセデスが最速だと思う」とノリスは述べた。
「明日は前の2人(フェルスタッペンとラッセル)に少しでも対抗したいけど、かなり厳しいレースになると思う」
とは言え、フェラーリが他力本願で逆転タイトルを掴めるほど状況は甘くない。スプリントを終えた時点でマクラーレンはリードを30ポイントに広げた。最終戦アブダビGPで獲得可能な最大得点は44ポイントに過ぎない。
ルクレールは、フェラーリが真にタイトルを争うためには「特別な何か」が必要だと認識している。
「コンストラクターズタイトルを勝ち取りたいなら、マクラーレンより上位で今週末を終える必要がある」とルクレールは述べた。
「ただポイントを獲得するだけでは不十分だ。タイトルを狙うためには、必要以上の結果を出さなきゃならない。明日は何か特別なことをやって、彼らとの差を縮める必要がある」
日曜のドーハでチェッカーフラッグが振られた際に、マクラーレンが1998年以来となるコンストラクターズタイトルを祝うためには、フェラーリに対するリードを少なくとも15ポイント広げる必要がある。ただし、無理をして1台、あるいは2台を失えば、形勢は一気に逆転し得る。
決勝レースは日本時間12月1日(日)25時にフォーメーションラップが開始され、1周5419mのロサイル・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。