マクラーレンの旧車テストドライバーに就任したアンドレッティ・オートスポーツのコルトン・ハータと2022年F1リザーブドライバー契約を結んだアルピーヌのオスカー・ピアストリ
Courtesy Of Penske Entertainment: Chris Jones / Alpine Racing

マクラーレンF1、旧車テストにコルトン・ハータを起用! 控えにはオスカー・ピアストリを確保

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マクラーレン・レーシングは2021年型MCL35Mのテストプログラム・ドライバーとして、アンドレッティ・オートスポーツからインディカー・シリーズに参戦するコルトン・ハータを起用すると共に、リザーブドライバーとして若手筆頭ホープ、オスカー・ピアストリを確保した。

マクラーレンは将来のドライバー候補を評価するために、レギュレーション変更で可能となった1年落ちのマシンを使ったテストプログラムを展開していくと発表した。そしてそのドライバーとして、米国オープン・ホイールの若手有望株、ハータを起用した。

マクラーレンのアドレアス・ザイドル代表はハータについて「インディカーで才能を証明したドライバーであり、F1マシンにどう適応していくのか楽しみだ」と語った。

「我々はこのテストプログラムが彼に貴重な経験を提供できると考えている。またそれと同時に、旧車を使ったテストプログラムを拡張する事で、将来有望なドライバーにスポットライトを当てる事の利点を示せると信じている」

なおハータはレギュラードライバーのランド・ノリスと旧知の間柄だ。2015年にカーリンからMSAフォーミュラに参戦した際、二人はチームメイト同士だった。

インディカーで所属するアンドレッティのボス、マイケル・アンドレッティは2023年からのF1参戦に向けてFIAに正式なエントリーを申請しているが、アンドレッティとマクラーレンのザク・ブラウンCEOはフェルナンド・アロンソのインディ500参戦を実現させるなど、これまでに様々な場面で協力してきた間柄でもある。

また、予期せぬ事態に備えるためマクラーレンは、レギュラードライバーのノリスあるいはダニエル・リカルドがレース欠場を余儀なくされた場合に、ピアストリをリザーブドライバーとして利用する事でアルピーヌと合意した。

ピアストリは2019年のフォーミュラ・ルノー、2020年のFIA-F3選手権、そして昨年のFIA-F2選手権を制して3年連続で異るシリーズのタイトルを獲得するという歴史的偉業を成し遂げた天才であり、一刻も早いF1デビューが望まれている期待の星だ。

だが、アルピーヌのF1シートに空きがないため行き場がなく、今季はアルピーヌのリザーブを務めている。アルピーヌとしても貴重な才能を1年寝かせて置く事は得策ではなく、またマクラーレンも正規のリザーブがいない事から両者の思惑が合致した。

マクラーレンはメルセデスとの契約に基づき、ストフェル・バンドーンかニック・デ・フリーズをリザーブとして借り受ける事ができる。また、必要に応じてポール・ディ・レスタを起用する事もできるが、参戦中のカテゴリーとの兼ね合い上、3人は必ずしも常にマクラーレンの要請に応じられるわけではない。

なお今回の合意に関わらずピアストリはアルピーヌの契約下にあり、アルピーヌのリザーブドライバーとしての職務が最優先となる。

マクラーレンはF1バーレーンテストでリカルドがコロナ陽性となり、3日間連続でノリスがステアリングを握る事となったが、今回のピアストリとの合意はリカルドの一件とは無関係だという。