
2008年の屈辱から17年…マッサ「許してはならない」徹底追及を誓う ― ”クラッシュゲート訴訟”いよいよ開廷へ
2008年のF1世界選手権でルイス・ハミルトンにわずか1ポイント差で敗れた元フェラーリのフェリペ・マッサが、「クラッシュゲート事件」をめぐる損害賠償訴訟に関して「許してはならない」と決意を新たにした。ロンドン高等法院での審理は10月28日に開始される予定だ。
2008年クラッシュゲートの屈辱
マッサは2008年の最終戦ブラジルGPでポール・トゥ・ウインを飾ったが、最終周の最終コーナーでハミルトンがティモ・グロックをオーバーテイクした事により、母国ファンを前に1ポイント差でタイトルを逃した。
その数週間前のシンガポールGPでは、ルノーがネルソン・ピケJr.に故意のクラッシュを指示し、フェルナンド・アロンソを勝利に導いた。マッサはレースをリードしていたが、この不正行為をきっかけに13位まで後退。失ったポイントが選手権の帰趨を左右することとなった。
もしシンガポールGPが選手権から除外されていたか、あるいは事故前時点の順位が結果として採用されていれば、マッサがワールドチャンピオンになっていた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
F1ワールドチャンピオンの夢を奪われ表彰台の上で涙するフェラーリのフェリペ・マッサ、2008年11月2日にインテルラゴス・サーキットで開催されたF1ブラジルGPにて
エクレストンの証言と訴訟の行方
2023年、元F1最高責任者バーニー・エクレストンは、クラッシュゲートの真相を2008年中に把握していながら、当時のFIA会長マックス・モズレーとともに“巨大なスキャンダル”を避けるため隠蔽したと証言した。
これを受け、マッサはFIA、フォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)、そしてエクレストンを相手取り、弁護士ニック・デ・マルコKCを代理人としてロンドン高等法院に提訴した。被告側はいずれも訴えを退ける姿勢を示している。
8,200万ドルの賠償請求とマッサの主張
8,200万ドル(約122億円)の損害賠償を求めているとされるマッサは英紙『The Times』に対し、徹底追求する意向を改めて強調した。
「責任の追及こそが、将来の不正を防ぐ唯一の方法だ。スポーツを守る立場にある者たちが職務を裏切り、不正を隠蔽して利益を得ることは、どんな分野においても決して許してはならない」
「ましてや、子どもたちを含む何百万人もの人々が注目するスポーツにおいてはなおさらだ」
「公正で正しい結果を得るために、最後まで追及する。僕自身のために、ブラジルのモータースポーツのために、そしてスポーツ全体のために」