RBフォーミュラ1の角田裕毅、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ、ダニエル・リカルド、2024年F1カナダGP・モナコGP
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ヘルムート・マルコ、転落ミスの角田裕毅と批判を経て今季最上のリカルドをジャッジ

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残り5周まで入賞圏内を走行しながらも、「本当に愚かなミス」によりスピンを喫してポイント獲得を逃した角田裕毅(RBフォーミュラ1)についてヘルムート・マルコは、ミスを犯したのは残念だとしつつも、タイヤマネジメントは「見事」だったとして一定の評価を与えた。

70周で争われた2024年のカナダGPで角田裕毅は、9番手を走行していた66周目のターン9でコース外に飛び出し、濡れた芝生の上でスピン。この間に多くの後続車両に追い抜かれ、無念の14位でフィニッシュした。

角田裕毅についてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーは、スピードウィークのコラムの中で「彼がミスをしたのは残念だ」と綴った。

その一方で、エステバン・オコン(アルピーヌ)と並び唯一、最初のインターミディエイトタイヤで最多44周を重ねた事に触れ、「同じタイヤセットで40周に渡ってコースに留まり、見事なタイヤマネジメントを見せた」とも指摘した。

F1カナダGPドライバー別タイヤ戦略、2024年6月9日(ジル・ビルヌーブ・サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1カナダGPドライバー別タイヤ戦略、2024年6月9日(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

もう1台のVCARB 01をドライブしたダニエル・リカルドは5番グリッドからスタートしたものの、「ごく僅かなクラッチの引きずり」によりジャンプスタートを犯して5秒ペナルティを受けたが、それにも関わらず今季グランプリベストの8位でフィニッシュして4ポイントを持ち帰った。

リカルドについてマルコは「良い週末だった。もしかすると、ジャック・ビルヌーブの批判が少し刺激になったのかもしれない」とした上で、「レーシング・ブルズの両ドライバーはカナダで良い位置につけていた。この調子で続けていく必要がある」と付け加えた。

カナダGPに先立ち英Sky Sportsの解説陣に加わったビルヌーブはリカルドについて、「何故まだF1にいるんだ?」「言い訳をしている」「家に帰れ」などと非難の言葉を重ねた挙げ句、今もF1に留まっていられるのは「イメージ」のおかげだと主張した。

一夜を経てリカルドは、グランプリレースに向けて今季ベストの5番グリッドを獲得すると、ビルヌーブの辛辣な批判を「下らない悪口」と一蹴し、「あの手の連中はみんなクソ食らえだ」と批判した。

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