ソフィア・フローレシュcopyright Sports Bureau of Macao SAR Government

動画:F3マカオGPで息を呑む大クラッシュ…女性ドライバーのフローシュが時速276km/hで空を舞いコース外に

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11月18日現地15時35分にスタートした第65回マカオGPのF3ワールドカップ決勝レースで息を呑む大クラッシュが発生。ドライバー2名を含む計5名の関係者が事故に巻き込まれ、レースは1時間半に渡って赤旗中断となった。

まずはグリーンフラッグ直後のリスボア・ベンドと呼ばれる直角の右コーナー、ターン1で、11番グリッドの佐藤万璃音(所属:モトパーク・アカデミー)が単独クラッシュ。これに後続の4台が巻き込まれセーフティカーが導入された。その後3周目にリスタートを迎えたものの、再びオープニングラップと同じターン1で更に大きな事故が発生した。

ドイツ出身の女性ドライバー、ソフィア・フローシュ(所属:ヴァン・アメルスフォールト・レーシング)がホームストレートで僚友ユアン・ダルバラのクルマに乗り上げ離陸。時速276km/hで空中をかっとびながら鉄製フェンスを突き破り、横回転しながらコース外に飛び出て仮設スタンドに激突した。国際映像のカメラは事故の模様を捉えていなかったが、グランドスタンドの観客が間近でその悲惨な様子を撮影していた。

事故の深刻さを物語るように国際映像は事故の様子をリプレイせず、情報のアップデートも限定的という緊迫した状況が続いた。事故後のターン1ではフローシュに追突されたトムスの坪井翔のマシンが停止。坪井は自力でマシンから脱出し病院へと運ばれた。事故直前のフェンスの外側には、カメラマンやオフィシャルと思しき人影も確認されており、ドライバー以外の人的被害も発生。カメラマン2名とマーシャルが1名が、地元の仁伯爵総合病院で精密検査と治療を受けた。

厳しい事態が想定されたものの、FIAはレース再開直前に短い声明を発行し、フローシュに意識がある事を公表。レース後には他の4名についての容態も明らかにされた。

事故発生時にフェンス外側にいたマーシャル、Chan Cha In氏は頭部を中心に複数箇所に重傷。日本人カメラマンの南博幸氏は頭部と顔に外傷を負い脳震盪を起こしているものの、意識はあり命に別状はないとの事。アシスタントのChan Weng Wang氏は肝裂傷と発表された。

その後坪井選手と南氏はそれぞれ自身のブログやSNSを使って無事を報告。フローシュも「私は大丈夫。明日の朝(19日)に手術を受ける事になりました。FIAとHWA、そしてメルセデスが手厚く面倒を見てくれています。温かいメッセージをくれた全ての人に感謝しています」とのつぶやきを投稿した。二人は事故翌日に退院した。

事故翌日の19日(月)に行われた10時間に及ぶ手術は無事に成功。懸念されていた全身・半身不随の恐れはなく、再びレース競技に復帰できる見込みが高まっている。

レースは事故から1時間半近くを経た現地16時53分にセーフティカー先導で再開。ポールポジションのダン・ティクタム(所属:モトパーク・アカデミー)が勝利を飾った。2位は1.208秒遅れでジョエル・エリクソン(所属:モトパーク・アカデミー)、3位表彰台にはサッシャ・フェネストラス(所属:カーリン)が滑り込んだ。

日本勢最高位は宮田莉朋(所属:トムス)の14位、B-Max Racingの関口雄飛が15位でこれに続く結果となった。7度のF1ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハの実子ミックは5位に終わった。

レースを統括するFIA国際自動車連盟のジャン・トッド会長は、全勢力を挙げて負傷者のサポートと事故の全容解明を進めていく方針を明らかにしており、調査が終わり次第詳細な報告が行われる見通しとなっている。