ハンガロリンクを走るフォース・インディアVJM11
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父ストロールが破産管理下のフォース・インディアを救済、息子ランスの移籍が確実な情勢に

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フォース・インディアF1チームの財政難問題に解決の兆しが見えた。先月27日に破産管財人の管理下に置かれたシルバーストン近郊に本拠地を置くフォース・インディアは、ウィリアムズのドライバーを務めるランス・ストロールの父ローレンス率いる投資家グループの救済を受け入れる事を決定。シーズン後半初戦ベルギーGP以降のレースへの参戦継続がほぼ確実な情勢となった。

破産管財人のFRPアドバイザリー(FRP Advisory LLP)は8月7日、フォース・インディアと投資コンソーシアムの間で救済のための契約が合意に達した事を発表。チームが抱える負債の支払いを引き受けると申し出た投資グループには、ストロールのビジネスパートナーにして2016年のフォーブス長者番付638位の香港の著名資産家サイラス・チュー、マクラーレンのスポンサーを務めていたマイケル・コース(Michael Kors)代表のジョン・アイドル等が名を連ねている。

F1ハンガリーGP週末の7月27日、チームにパワーユニット及びギアボックスを供給するダイムラー/メルセデスと、メインスポンサーのBWTのサポートを受けたセルジオ・ペレスがチームメンバーの雇用を守るべく、ロンドン高等裁判所に対してチームの破産手続き申立書を提出。申し立てを受けた当局は破産管財人を任命し、破産手続が開始された。

フォース・インディアの最高執行責任者(COO)を務めるオトマー・サフナウアーは資本注入の事実を認め、チームの将来の見通しは明るいと主張。新たな投資家はビジェイ・マリヤ、サブラータ・ロイら旧オーナーに代わって、セルジオ・ペレスやダイムラー・メルセデス、メインスポンサーのBWTら全ての債権者に支払いを行い、405名の従業員全ての雇用を維持する事となる。

FRPアドバイザリーの共同管財人であるジェフ・ローリーは、投資家グループはチームの将来性を評価しており、負債の返済を行うだけでなく将来の活躍を後押しするべく大規模な投資を行う予定であると明かした。「救済のための資金は本日付けでチームに提供される。また今後2・3週間以内に管財人の手を離れる見通しであり、その後チームはより大規模な資金を手にする事になる」

ウィリアムズのパディー・ロウと握手するローレンス・ストロール
© Steven Tee/Williams、ウィリアムズのパディー・ロウと握手するローレンス・ストロール

ローレンス・ストロールが救済を主導した事から、息子ランスのフォース・インディア移籍はほぼ疑いない情勢であり、現在同チームの正ドライバーを務めるセルジオ・ペレスとエステバン・オコンのいずれかは、今季限りでチームを去る可能性が高い。チームは現在コンストラクターズ選手権6位につけているものの、過去2年に渡って3強チームに次ぐ4位の好成績を収めてきた。

ランス・ストロールは2016年のF1デビューの際に、ウィリアムズに対して日本円にして総額91億円もの資金を持ち込んだとされており、史上最大のペイドライバーとの批判を浴びた。父親の豊富な資金によって、ストロールは膨大な数のプライベートテストを行っており、F1昇格前はもとより、デビュー初年度にもサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、ホッケンハイムリンク、上海インターナショナルサーキット、セパンで予行練習を重ね、F1日本GPの前には鈴鹿でも極秘プライベートテストを実施している。

フォース・インディアの将来の見通しは改善した一方で、ランスが移籍する事になればストロールの資金がウィリアムズから去る公算が高く、今度は英国の名門が同様に危機に晒される恐れがある。