スタート練習を行うF1マシン、2021年4月17日F1エミリア・ロマーニャGPにてCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1エミリア・ロマーニャGP チーム別タイム前年比較:初戦一転、2チーム躍進…規約不満のアストンは2020年と遜色なし

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イモラ・サーキットで開催された2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP及び昨年のグランプリにおける各チームの予選最速タイムを集計・比較する。

3週間前のバーレーンGPでは平均してプラス1.64秒と、全てのチームが昨年と比較して例外なく大幅にタイムを落としたが、イモラでは一転。なんと、2チームが昨年を上回るラップタイムを刻んだ。

エアロダイナミクスに関する開発はその殆どが許可され、パワーユニットのアップグレードも可能であるものの、今季はマシン開発に制限が課され、更にはコーナリングスピードの低下に繋がる空力関連のレギュレーションが変更された。こうした事情を踏まえるとこの結果は非常に印象的と言える。

コンマ1秒未満ではあるものの、イモラではマクラーレンとウィリアムズが前年比で1発の速さを改善させてきた。トラックリミットによりランド・ノリスの予選ファステストが抹消されていなければ、マクラーレンのゲインは遥かに大きいものになっていたはずだ。

順位 チーム 2020年 2021年 変動
1 マクラーレン・メルセデス 1:14.718 1:14.814 -0.096秒
2 ウィリアムズ・メルセデス 1:15.261 1:15.323 -0.062秒
3 アルファロメオ・フェラーリ 1:15.974 1:15.953 +0.021秒
4 アストンマーチン・メルセデス 1:15.138 1:15.061 +0.077秒
5 フェラーリ 1:14.74 1:14.616 +0.124秒
6 レッドブル・ホンダ 1:14.446 1:14.176 +0.270秒
7 アルファタウリ・ホンダ 1:14.79 1:14.502 +0.288秒
8 ハース・フェラーリ 1:16.279 1:15.918 +0.361秒
9 アルピーヌ・ルノー 1:15.117 1:14.52 +0.597秒
10 メルセデス 1:14.411 1:13.609 +0.802秒

全チームの平均損失は僅か0.284秒に留まった。なぜこれ程までに落ち幅が限定的だったのだろうか?

14年ぶりに復活した昨年のイモラは史上初の2デイイベントとして開催され、予選までに許された練習走行は僅か1時間半のみであり、コースへの理解が不十分であった。また、初戦を終えてマシンやタイヤへの理解が深まった事も限定的な低減に繋がった可能性がある。いずれにしても全体像を把握するためには、異なる特性を持つコースでの更なるグランプリが待ち望まれる。

躍進2チームに続いて目を引くのはローレーキ勢だ。

バーレーンGPでの前年比較では、マシンの前傾姿勢が緩やかなアストンマーチンAMR21とメルセデスW12が共に2秒以上の損失を計上し、実質的に今シーズン仕様のマシン開発を見合わせたハースを除いて最も大きくタイムを落としたが、イモラでのアストンの損失は僅か100分の7秒に過ぎなかった。

アストンマーチンのオトマー・サフナウアー代表は開幕戦のパフォーマンスを受けて、改定された空力ルールは同チームとメルセデスの競争力低下を狙い撃ちしたものだと不満をあらわにし、法的措置をチラつかせてFIAに対し再度のルール変更を迫る意向を示していた。

これに対してレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、今回のルール変更はアストンマーチン自身が合意したものであり「甘っちょろい」と一蹴した。

なおサフナウアー代表は、イモラの予選を終えてFIAと話し合いの場を持った事を明らかにし、今後も更なる議論を続けるものの、現時点では規約変更に際して正しい手順が踏まれた事に「かなり満足している」と述べた。

対して同じローレーキを採用する昨年ポールのメルセデスは昨年比プラスコンマ8秒と、10チームの中で最も大きくタイムを失った。

レースで優勝したレッドブル・ホンダは昨年比プラス0.27秒と損失平均ど真ん中であるが、マックス・フェルスタッペンは珍しくも予選Q3の最後のアタックでミスを喫しているため、ポテンシャル的には昨年比マイナスとなっていた可能性もある。

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