F1黄金期象徴のJPSカラー、ジェンソン・バトン参画のラドフォード&ロータスの共同開発超高級車「Project 62」で採用
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英国のコーチビルダー、ラドフォード(Radford)の米国法人は7月8日、F1黄金期の象徴的カラーであるジョン・プレイヤー・スペシャル(JPS)の商標権を取得した事を明らかにした。
ブラック&ゴールドが印象的なJPSカラーはモータースポーツ界で最もよく知られるカラーリングの一つで、70年代、80年代の華やかな時代を象徴するものとして往年のファンの脳裏に深く刻み込まれている。
英国のタバコメーカー、インペリアル・ブランズは1968年にチーム・ロータスのメインスポンサーとしてF1に参入。1972年に傘下のブランドであるJPSを全面に押し出すブランディングへと切り替え、同年に5勝を挙げてF1世界選手権を制したエマーソン・フィッティパルディ駆るロータス・タイプ72Dを漆黒と金に染め上げた。
JPSのカラーリングはその後、1986年までロータスのF1マシンに採用され、伝説のドライバー、アイルトン・セナが駆ったロータス98Tにもブラック&ゴールドが施された。
ハロルド・ラドフォードは1960年代を中心に目の肥えた顧客に強く支持されていたロールス・ロイスやアストンマーティンの老舗架装業者で、クラシカルなデザインを持つ高級自動車を製造するという目的の元に今年復活を遂げた。
経営陣には一流のカーデザイナーとして知られるマーク・スタッブスや、テレビ番組「名車再生!」でお馴染みのアント・アンステッド、そして元マクラーレン・ホンダのF1ドライバーであるジェンソン・バトンらが参画している。
JPSカラーが初採用されるのは、2021年後半の発表が予定されているラドフォード初の超高級車「Project 62」だ。これは1969年施行のグループ6規制に合わせて2台のみが製造されたロータス・タイプ62からインスピレーションを受けたもので、ロータス・エンジニアリングとの共同開発により62台の限定生産が予定されている。
ジェンソン・バトンはJPSカラーの商標権取得について「F1マシンを飾る最も象徴的なレーシングカラーの一つである事は間違いないし、本当にエキサイティングなニュースだ!」とのコメントを寄せた。
「僕にとってはエマーソン・フィティパルディやアイルトン・セナといった英雄たちが活躍したF1黄金時代を思い起こさせるものだし、彼らは僕がレーシングドライバーを志すきっかけとなったレジェンドだ」
「一刻も早くこのカラーリングを採用したラドフォードのクルマを皆に紹介したくてウズウズするよ」
JPSカラーの商標権を取得して市販モビリティに採用した例としては、本田技研工業の50ccスクーター「ホンダ・イブパックスS」がある。1987年に限定3,000台で発売された。