「アロンソ一人のために確定済のWECカレンダーを変更するのは如何なものか?」WECドライバーらが苦言

険しい表情をみせるフェルナンド・アロンソcopyright Honda Racing

昨年のルマン24時間レースで、ジャッキー・チェン DCレーシングをLMP2クラス優勝に導いたイギリスを代表するレーシングドライバーの一人、オリバー・ジャービスは、フェルナンド・アロンソだた一人のためだけに、既に確定済みのWEC世界耐久選手権の開催日程を変更するのは如何なものか、と苦言を呈した。

1月30日、WECトヨタ・ガズーレーシングは、現マクラーレンF1チームのフェルナンド・アロンソを起用する事を発表。アロンソはセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴の二人と共に、トヨタのLMP1マシン「TS050 HYBRID」8号車を共有し、ルマン24時間レース制覇を目指す。

アロンソはF1グランプリとバッティングしない全てのWECイベントに参加するが、10月21日に開催予定のWEC第4戦富士6時間レースはF1アメリカGPと日程が重なるため、欠場が予想されていた。

だが、トヨタとしてもWEC主催者としても、アロンソを全戦に参戦させたいのは山々。特に、アロンソを起用したトヨタとしては、是が非でもホームレースの富士にアロンソを参戦させたいところ。2度のF1ワールドチャンピオンにして現役最強と名高いアロンソの電撃参戦を受け、FIA国際自動車連盟とWECが富士6時間の日程変更を検討していると報じられた。

WECへの参戦が決定している全てのドライバーは皆、他のレースカテゴリ開催日程等を考慮の上、難しい調整を済ませて契約を締結している。ジャービスは「もし報道が本当だとしたらという話だけど」と前置きした上で、次のように語った。

「WECやトヨタ、富士スピードウェイにとって商業的な利益が絡んでいる事は理解できるけど、既に決定している現行のスケジュールに基いて契約を済ませている他のドライバー達は一体どう思うだろうね?彼らは長年にわたってこの選手権に忠誠心を捧げてきたというのに」

昨年のル・マン24時間LM-GTEプロ2位のピポ・デラーニや、先日のデイトナ24時間レースで総合優勝を果たしたフェリペ・アルバカーキらがジャービスの意見に賛同。SUPER GTやスーパーフォーミュラの参戦等で日本でも人気のジョアオ・パオロ・オリベイラはSNSを通じて「よくぞ言った!」とジャービスを支持した。

代替候補日は10月14日だとみられているが、この日はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権プチ・ル・マンとバッティングしている。この場合、プチ・ル・マンに参戦する予定だったWECドライバー達は、再度契約関係を見直し、調整を強いられる事になる。

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