レッドブル大敗、マクラーレンが最前列独占「話にならない」角田裕毅は苛立ちのQ1敗退 / F1イタリアGP 2024《予選》結果と詳報
8月31日(土)にモンツァ・サーキットで行われた予選でランド・ノリスが通算5回目のポールを獲得し、オスカー・ピアストリが0.109秒差の2番手に続いたことで、マクラーレンが2024年FIA-F1世界選手権16戦イタリアGPの最前列を独占した。角田裕毅(RB)は16番手でQ1敗退を喫した。
頭一つ飛び抜けた速さを見せたノリスを除き、その後方の2番手から6番手まではコンマ1秒以内にひしめく大接戦となった。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)はピアストリに0.004秒差の3番手を刻み、広範なアップグレードを持ち込んだ母国レースのフェラーリ勢を退けた。シャルル・ルクレールが5番手、カルロス・サインツが6番手に続いた。両者の差は0.006秒だった。
3回のプラクティスの内の2回でタイムシートのトップに立ったルイス・ハミルトンは6番手に留まったが、それでも3番手につけたチームメイトとのギャップは0.073秒に過ぎなかった。
一方でトップ6の後方にはコンマ5秒以上もの大きな溝が横たわった。マックス・フェルスタッペンは2番手タイムでQ3に勝ち上がったが、2セットの新品を投じてなお十分なラップを記録できず、レッドブルのチームメイト、セルジオ・ペレスを0.04秒差で抑えて7番グリッドを持ち帰るのが精一杯だった。
モンツァでのRB20はプラクティスを通して、コーナーの入口でリアがかなりナーバスで、ミッドコーナーでは酷いアンダーステアが出ていた。
Q3の1回目のラップを終えてフェルスタッペンは「このタイヤセットは全くグリップがなかった。ショッキングだ」と嘆いた。路面の変化(49.8℃→42.2℃)に対応してタイヤを機能させられなかった可能性が考えられる。実際、Q3のタイムはQ2のベストよりコンマ4秒近く遅かった。
コンストラクターズ選手権争いでのマクラーレンに対するレッドブルのリードは30ポイントにまで縮まっている。日曜のレースでノリスとピアストリが1-2フィニッシュを飾った場合、マクラーレンは43ポイントを手にする。
なおピアストリに関しては、Q1セッション中にファストレーンを走行するフェルスタッペンの目の前に飛び出るインシデントがあり、アンセーフ・リリースの疑いがあるとしてセッション後に調査が行われる。
トップ4チームの後にはウィリアムズとハースが続き、アレックス・アルボンが9番手、ニコ・ヒュルケンベルグが10番手を刻んだ。
角田裕毅はQ1で、1セット目の走行を終えてノックアウト・ゾーンの17番手に沈み、最終ラップでタイムを更新したものの十分ではなく、15番手で突破したダニエル・リカルドに0.044秒及ばず敗退すると、無線を通して「ドライブするのが難しくて話にならない!」とクルマに対する苛立ちをあらわにした。
RBは今週末、床下のプロファイルを変更した新型フロアボディ、気流改善のために形状を見直したヘイローフェアリング、そしてドラッグ低減のために周辺ジオメトリに手を加えたリアビューミラーを角田裕毅の22号車にのみ投入した。
Q1のチェッカー後には、ケビン・マグヌッセン(ハース)がパラボリカでコースアウトを喫したことで短時間ながらも黄旗が振られた。その後方にいた角田裕毅とリカルド、そしてランス・ストロール(アストンマーチン)は影響を受けた可能性がある。 ストロールは17番手で敗退した。
プラクティスを通して堅実な走りを見せていた新人フランコ・コラピントは、Q1最終ラップのレズモでグラベルに飛び出してしまい、18番手でキャリア初の予選を終えた。コース清掃のためにQ2の開始時間が僅かに延期された。
Q3進出権を巡る中団の争いは熾烈だった。フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は100分の1秒及ばず11番手、リカルドは1000分の68秒及ばず12番手に留まり、ヒュルケンベルグがアルボンに続く10番手でQ3に駒を進めた。
ハースのチームメイトが最終ラウンドに進んだ一方、マグヌッセンは13番手に終わり、アルピーヌ勢はピエール・ガスリーが14番手、エステバン・オコンが15番手でクルマを降りた。
決勝レースは日本時間9月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2024年F1第16戦イタリアGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:19.911 | 1:19.727 | 1:19.327 | 12 |
2 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:20.076 | 1:19.808 | 1:19.436 | 19 |
3 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:20.169 | 1:19.877 | 1:19.440 | 18 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:20.074 | 1:20.007 | 1:19.461 | 21 |
5 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:20.149 | 1:19.799 | 1:19.467 | 18 |
6 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:20.477 | 1:19.641 | 1:19.513 | 18 |
7 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:20.226 | 1:19.662 | 1:20.022 | 18 |
8 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:20.598 | 1:20.216 | 1:20.062 | 17 |
9 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:20.542 | 1:20.314 | 1:20.299 | 18 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:20.781 | 1:20.411 | 1:20.339 | 18 |
11 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:20.617 | 1:20.421 | 11 | |
12 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 1:20.901 | 1:20.479 | 12 | |
13 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:20.856 | 1:20.698 | 11 | |
14 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:20.748 | 1:20.738 | 16 | |
15 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:20.764 | 1:20.766 | 16 | |
16 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 1:20.945 | 6 | ||
17 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:21.013 | 6 | ||
18 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 1:21.061 | 6 | ||
19 | 77 | ボッタス | ザウバー | 1:21.101 | 6 | ||
20 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 1:21.445 | 9 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 33.2℃ |
路面温度 | 49.8℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1イタリアGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | モンツァ・サーキット |
---|---|
設立 | 1922年 |
全長 | 5793m |
コーナー数 | 11 |
周回方向 | 時計回り |